第二話 不吉な気配と隠された謎
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この写真に映し出されたアーム・スレイブは自分の半身だと。
「どういう意味だ?
お前の半身って、」
「そのままの意味です。
その機体は私の半身で、私はその機体のコアです。もっと正確に言えば半身になる予定だった機体でしょうか…」
何やら訳の分からない展開になってきた。
「お前は、この機体を知ってるんだな?」
「当然です。それは私の半身ですから、」
「じゃあ、呪われた機体────待てよ。てか、それじゃあらお前は呪われたAIって事か?」
「私の半身が、呪われてると言うならそうかも知れませんね」
突然の展開とLの謎の発言に困惑する。
状況が読み込めない。取り敢えず、状況を整理すると…この残骸『呪われた機体』は、Lの半身?で…半身になる予定だった…つまり搭載される筈だったという訳か?
「ちょっと色々と混乱してるが一つ質問だ」
「なんでしょうか?」
「この機体、話によると十数年前に建造された機体らしいが、お前って産まれたのは半年前だよな?なら、おかしくないか?」
それだと辻褄が合わない。だが、Lは。
「当時、その機体は完成間近でとある組織に強奪され、私もAIとして未完成でした。
本来、私という存在は過去にデリートされ、バグの集合体に成り果てていましたが、とあるAIが私をデータベースからサルベージし、自身に組み込む事で新たな進化を遂げたそうです」
「もしかして、それが『アル』か?」
まだ完全に状況は読み込めてはいないが、ある程度は飲み込めた。
このLの半身は、とある組織?…というのは不明だが、その組織に強奪され、強奪後何らかのテロに巻き込まれ機体は大破した。そしてLは完成間近だったが、機体を失われた今、不必要と判断された。で、それからアルにデータベースからサルベージされてアルに組み込まれたと。
「はい。ですが、私にはアルの真意が分かりません」
AIらしからぬ発言。やはりLは普通のAIではない。
「俺にもさっぱりだ。いきなりお前を押し付けてきて…アルってのは一体何者なんだ?」
Lと同じAIとは知っていたが、まさかLを救った命の恩人とは知らなかった。
「やはり、ご迷惑でしたか?」
「いや。迷惑とか思った事はないが────」
その時、忘れかけていたLの正体を思い出した。
「待て、待てよ。
確か、アルは…Lは自分と千鳥 かなめの人格データをトレースし生成されたと言っていた」
「はい。その通りです」
「でも、お前は十数年前に造られたAIなんだろ?」
それだとやはり辻褄が合わない。いや、まさか…もしかしたら────。
「その表情からするにお気付きになりましたね、パパ」
「もしかしたら。これは推測だ。間違ってるかも知れない。でも、一応聞いとくぞ」
「L。お前は、十数年前に既に完成してたん
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