第二話 不吉な気配と隠された謎
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「さて、早速取り掛からねば!」
「その前に、まだ二つほど別件が御座います。タブレットの画面を右にスライドし確認して下さい」
「まだなんか有るの?
早く面倒事な事は終わらせて本業に入りたいのに────」
スライドし表示された画面は、アーム・スレイブの設計図だった。
確か、これって…溝呂木 克郎の設計したアーム・スレイブ『ブレイズ・レイブン』じゃないか!?
「これは!?」
「溝呂木 克郎博士からのプレゼントだそうです。
なんでも、蟹瀬主任の試作中のアーム・スレイブにはブレイズ・レイブンに搭載された『アジャイル・スラスター』が必要だとメリッサマオ社長が判断し溝呂木 克郎博士に話を持ち掛けた結果────「ソイツはロックンロールだ。完成したら俺ん所にも回してくれよな」だそうです」
「マジか」
「マジです」
俺…もしかして、あの頭のネジがぶっ飛んだ(いい意味で)溝呂木 克郎に期待されてる…のか?若くして数々の博士号を獲得し、ASの概念を覆したブレイズ・レイブンの設計者に認められてる…?
「ウォォォォォォ!!」
こうしちゃいられない。早速、開発しちゃおう。今回は幾らでも造っていいんだ。なら、いつか造ろうと思ってた『アイツ』を先に開発しよう。で、その後すぐに起動テストを行って兄弟機である『アイツ』等も同時に並行して開発を進めれば────。
「テンションMAXの所、申し訳ありません。
要件はもう一つ御座います」
そう言って男は別のタブレット端末と複数の写真を取り出し差し出してきた。
「メキシコ南部ポチュトラ市郊外の二ケーロという小さな町で、とあるアーム・スレイブの残骸らしき物が発見されました」
複数の写真を見ると確かにASらしきものが映し出されているが…所々、破損しているしパーツも欠損している。恐らく、M9をベースにした試作機と思われるが、なんでそんな物がこんな所に?
「その町では十数年前に謎のテロが発生し、その際に瓦礫で埋もれてしまい今頃になって発掘されたそうです」
「成程。だから所々、破損してるのか。
でもこの機体がどうかしたの?」
ウチで引き取るという事なのか?
だが、こんなボロボロの機体を押し付けられても困る。そっちで処分してくれ、と応えようとした瞬間。
「────アァ!!」
その声は、部屋全体に響き渡った。
「なんです、今の声は?」
声の主は人間ではない。さっきの声は電子音、Lの声だ。
なんだ。なんだ?
俺はLが映し出されているパソコンのディスプレイに目をやるとそこには小さく『そのASは私の身体です。だから私に下さい!』と文書が表示されていた。どういう意味だ?訳が分からん。
「き、気にしないでくれ。
で、その機体は?」
「これは少々、特殊な案件でして様々な所からたら
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