第二話 不吉な気配と隠された謎
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て夜起きたら勝手に晩御飯が出てくる生活に戻りたい」
「どんな生活してたんですか?」
「もうヤダ。いやいやいやいや!
好きな事して生きていたいよォ!」
「それは一部の限られた人間しか許されない生き方ですよ」
「なんで、そんなに現実的な事を言うかな君は!」
あぁ、なんでこんな事に!?
俺は…ただ、オリジナルのアーム・スレイブを造りたかっただけなんだ。
自衛隊に入ったのも日本で唯一、ASを取り扱える仕事だからでそれ以外に特に意味は無い。
あの辛い訓練だってASの制作の為に必死になって乗り切ったんだ。それだけ、それ以外の事なんて考えて無かった。
ここまで来たのも、ここまで耐えてきたのも全て、俺の俺だけのASを造るためなんだ!
「………………」
それなのにこの現状はどうだ。
ASとは全く関係のない仕事ばかり。
雑用とか面倒事は全部、俺に回ってくる。
あの時だってそうだ。
上の奴らの飲み会に誘われて無理難題を押し付けられて…くそっ。
なんでこんなにも不幸なんだ。俺は、ただ…ASを造りたいだけなんだ。それ以外の事なんてどうでもいい。だから我慢してきたんだ。
でも、もう我慢の限界だ。もう知らん。全て投げ出して海外に逃げてやる。で、今度こそASだけの仕事に就くんだ。そうだ。そうしよう。そうとなれば早速────。
「あ、言い忘れてましたが。
『今回』は蟹瀬主任の好きな機体を『幾ら』製作してもいいそうです。製作費とか開発費とか気にせず、じゃんじゃん新型機を開発してくれ。との事ですが…」
「やるやるやる。やります。やらせて下さい」
前言撤回。そんなの全力でやらせて頂きますよ。
「あと、陸将・海将・空将から第三世代アーム・スレイブ『M9』が一機ずつとD.O.M.S社のメリッサマオ社長から第三世代アーム・スレイブ『シャドウ』を二機が支給されました。言伝で、好きに使ってくれて構わない。その代わり分かるな?だそうです」
「はいはいはい。任せて下さ…うん?
なんでマオ社長から…?」
「なんでも。蟹瀬主任が制作中の新型試作機のベースとして使えるかもとの事です」
そうして手渡されたタブレット端末には、支給されるASの情報とマオ社長の激励の言葉が綴られていた。
「あの人は…たく、本当にしょうがない人だ」
────今回のポンコツを金塊に変えてみない。アンタなら出来るって信じてるから。P.S.この借りは倍にして返しないさよ。で、ついでに完成した新型機をウチにも送ってよね♪
「分かりましたよ。完成して量産化の許可が降りたらすぐにお送りしますよ」
さて、やる気が出てきた。こんな雑用と雑務はさっさと片付けてじゃんじゃん開発してやる。待ってろよ!まだ見ぬ、俺のイメージ達!すぐに形にしてやるからな!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ