第二話 不吉な気配と隠された謎
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、感情を手に入れ掛けているLに未知の経験をこれ以上、体験させ与えてしまったらLは『L』で無くなってしまう。
もう、それはAIではない。それは────────。
「蟹瀬主任。ちょっといいですか?」
その男は、部屋のドアをノックもせずいきなり入ってきた。
「あのねぇ。このクソ忙しい時にノックもせずなんの用かな?」
「緊急の要件なんで、すんません」
その割には何か普通…いや、怠そうにしてるのは気の所為か?
「で、要件は?」
手短に終わらせて早く本来の業務に戻らなければ。
「これです、どうぞ」
それは極秘と記された茶色の封筒だった。
嫌な予感しかしないが、自分宛である以上は中身を確認しなければなるまい。さて、何が入っているのやら…。
びりびりっと封筒の先を破き、中身の紙切れを取り出す。
「?…?」
それは、予想外の内容だった。
とんでもない内容だった。
予想を遥かに超えた内容だった。
「君!
これは…?」
「中身の内容までは存じ上げたせんが。先程、『航空自衛隊』から申請が降りたそうです」
男は、事の重大さを知っているようだが、何ともリアクションの薄い態度だ。
「まさか…ここまで事が大きくなるなんて、」
「何やら偉業を達成されたそうで、おめでとうございます」
「人事だと思って…クソ。なんで、こんな大役────こんなハズレくじを」
極秘の資料は、それほど厄介な内容で蟹瀬は半ばか混乱していた。
このままだと本当に過労死しそうだ。
「海・空・陸、三つの自衛隊のAS技術部門総掛かりの一大プロジェクト。
今年、日本で行われる国際博覧会『アーム・スレイブ部門』で新型機を展示しろだなんて…」
しかも全世界にお披露目として開発者である蟹瀬 康太を代表に話を進める?
何それ馬鹿げてるの?
「極秘の文書を、そんな易々と口にしちゃって大丈夫なんですか?
一応、自分はその中身の内容は知らなかったんですよ。今、知っちゃいましたけど」
「…知るか。こんなの持ってくる方が悪い」
「えぇ。なんて横暴。でも、ご愁傷さまです」
「ご愁傷さま。じゃねぇよ!なんだよ!なんで、こんな面倒な事ばかり俺に押し付けてくんの?誰だよ!こんなの押し付けて来たのは!!」
「さぁ、誰でしょうね」
「その白々しい態度ムカつく!」
「そんなの言われても知らないものは知りませんよぉ」
「鼻ほじりながら言うな!余計にイラつくなもう!」
来週に控えた模擬戦に、約半年後に行われる国際博覧会…博覧会に比べれば模擬戦なんて対したプレッシャーじゃないかも知れないが、ここ最近は働き詰めで精神的にもナイーブな状態だ。
「もうヤダ。帰りたい。フカフカのベッドで一生眠りたい。朝起きたら勝手に朝御飯出てきて昼起きたら勝手に昼ご飯出てき
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