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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十四話 貸し借りなんて些細な事、です。
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大丈夫なのですか?」
「フィオーナを笑えないわね。」

 前世のフィオーナの元教官は自嘲気味につぶやいた。

「20億人の死が、これほど重いものだなんて想像していなかったわ。そしてそれは私の読みの甘さでもあった。」
「何をおっしゃるのですか!?」
「いいえ、本当のことよ。シャロンの恐ろしさを知りながら、そして、私たちの呼び水となるであろう最大の標的はフェザーン若しくはイゼルローン要塞だというのに、私はそれに対する対策を怠っていたのだから。」
「かの者は私たちに侵攻を求めてきました。まさかあのような形で、それも消滅などという手段が実行に移されることなど想像もつきますまい。」

 キルヒアイスの言葉にラインハルトもうなずく。

「だからこそ、私たち転生者があなたたちの側にいるのよ。あなたたちの想像を超えた事態に対処し、あなたたちを守り抜くことこそ、私たちの役目。それを・・・全うできなかった。」

 声がかすれていた。ラインハルトは衝撃を受けていた。これほどまでに「姉上」が憔悴したのを始めてみたのだ。カストロプ星系侵攻の際のダンスパーティーの直前、一瞬だけ弱みを見せていたが、それとて今ほどの物ではなかった。

 つと向きが変わった彼女の横顔を見た二人は信じられない思いだった。

「ごめんなさい・・・・。本当に・・・・・・・・。」
「姉上――。」
「私はあなたの側にいる資格などないわ・・・・!!」

 ほとばしるようにそう言った言葉は二人の胸を刺した。

「何をおっしゃるのですか、姉上!?」
「私は・・・あなたたちと出会わなければよかったのかもしれない!!いいえ、この世界に来なければよかったのかもしれない!!そうすれば・・・おそらくシャロンは、あんなことをしなかった――」

 パシンッ!!

 乾いた音がした直後、イルーナが後ずさった。左頬が赤みを帯びて痛々しい後を残している。キルヒアイスも眼を見開いていたが、顔色が引き締まった。ラインハルトの真意を理解した顔だ。

(・・・・・・・!!)

 物陰からこの光景を見ていたアレーナはあっけに取られていた表情をしていたが、次の瞬間何とも言えない笑みを浮かべていた。

「ラインハルト・・・・!!」

 頬に手を当てて呆然としているイルーナに向かってラインハルトは歩み寄った。

「では、今更逃げるというのですか?」

 すぐ目の前まできた端正な顔立ちと共に放たれた静かな問いは、薄い鋭い刃となって彼女の胸を刺した。

「ブラウンシュヴァイク公、リッテンハイム侯、そして幾多の敵の死、さらにはベルンシュタインという転生者の死が私たちの歩んできた道の背後にあります。それをすべて無駄にせよと言っているのと同じだ!!」
「・・・・・・!!!」
「そ
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