06.そうだ、刑務所に逝こう。
第16回
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昨日は大変だったなぁ。
結局、私は本当の事を話さなかった。拷問班が持ってきた薬を全て使っても、私が本当の事を言わなかったため、フランさんは記憶を覗く能力者を呼び、そしてバレた。
解放されるかなぁと思ったら、その後意識が無くなるまで激しく抱かれた。
「腰が………」
と言う訳で、仕事は全て休んで、執務室で転がっている。何時の間にかこの話は組織中に広がっていた様で、部下が誰も来ない。
引かれたかぁ。
「昨日の構成員に謝罪に行かなきゃ………」
昨日消耗した分の薬は既に購入して、先程拷問班の元に届いた筈だ。
私はそれと共にネットで購入した、最新の高級ブランドのチョーカーが入った箱を持って、部屋を出る。車椅子でも使おうかと思う程腰が痛い………
◇ ◆ ◇
何故だろう。エレベーターを使って移動をしたのだが、誰にも遭遇しない。エレベーター内だけでは無く、廊下でも。
避けられてるな。
そう思ってしょぼんと肩を竦めると、前方から声が。
「お早う御座います、黒華幹部」
拷問班の一人じゃないか。
「お早う。昨日は見苦しいモノを見せた。済まない」
深々とお辞儀をしての謝罪。気配で分かる。此の構成員、今絶対に「後で殺されたりしないよな?」って考えてる。
「いえ!! 此方こそ……済みませんでした。僕達が早めに外に出ていれば………」
「嗚呼、謝んないで? あれは私が問題だった訳だから……」
「黒華幹部の所為では無いですよ! 誰にだって、此れだけは絶対に言えないって事、ありますから………」
此の様子だと、此の構成員にもそれがある様だね。
「絶対に誰にも言わないし、殺したりもしないから、教えて欲しいなぁと思ってしまった私である」
「昨日、此方はそれを聞いてしまったのに、黒華幹部は教えて貰えないって言うのは不公平ですよね。教えますよ」
「あ、無理しなくても良いからね?」
嗚呼、如何為よう。優しい………なぁ!! 私の周りと違いすぎて、涙が出て来るわ。
「いえ、無理なんてしてません! ………ええと、僕は組織内ではずっと独身って事になってるんですけど…………」
「『実は妻と子供が居る』、でしょ?」
「わ、分かっていたのですか?」
うわ、拙い。本当に涙出てきた。
「年下の扱い方が上手だもん。まぁ、チラッと見た限りだけど。後、今。私は年下の女の子ですかー」
「ち、違います! 黒華幹部は立派な女性で……」
あたふたと慌てる構成員。見てて面白い。
「ぷっ、あはは……! 別に、実際年下だし、年下として見るので構わないよ」
「年下とかじゃ………無くてですね? その………優しいところが妻にそっ
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