519部分:最終話 空に星が輝く様にその七
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最終話 空に星が輝く様にその七
「そうしたらいいわよね」
「そうだよな。じゃあ次は何処に行くんだよ」
「ホテルとか?」
当然冗談である。しかしだった。
その言葉を聞いてだ。狭山は思わず吹き出してしまった。そのうえでこう津島に対して返すのだった。
「おい、いきなり何言ってんだよ」
「冗談よ」
「冗談でもそれはないだろ」
顔を真っ赤にして津島に言うのだった。
「だからよ、それはよ」
「焦った?」
「焦らない方がおかしいだろ」
こう言うのだった。
「全く。何を言うかと思えばよ」
「あんたそういうところは意外と奥手なのね」
「奥手ってよ」
「積極的にこう。若さ故の情熱に任せてとかないの?」
「して欲しいのかよ」
狭山は顔を顰めさせて津島の今の言葉に問い返した。
「したらどうするんだよ」
「まずひっぱたくけれど」
「ひっぱたかれてそれでいいって奴はいないだろ」
狭山は己の考えを述べた。
「間違ってもな」
「まあそうなるわね」
「ったくよ。今のは効いたぜ」
「効いたの」
「それこそあれだよ。必殺ブローみたいなもんだったぜ」
懐かしのボクシング漫画の話だった。かつてある少年雑誌で連載され様々な必殺技が披露された。それで有名な漫画の話だった。
「銀河が見えたぜ」
「銀河って。極端ね」
「それだけ効いたってことなんだよ」
「全く。言い過ぎよ」
「言い過ぎじゃねえよ。けれど次だよな」
狭山はその話に戻した。
「次は何処に行くんだよ、それで」
「あまり考えてないけれどね」
実はそうなのだった。津島の返答は今一つ以上に要領を得ないものだった。
「何処に行こうかしら、本当に」
「そういえばメリーゴーランドとか言ってなかったか?」
「それじゃあそこに行く?」
「そうするか?それじゃあな」
こんな話をしながらだ。二人も楽しい時間を過ごすのだった。
それは星華と天道もだった。二人で仲良くお喋りをしながらジェットコースターに向かいそこでも楽しんだ。そしてそこから降りた時だった。
そこにだ。あの二人がいたのだった。
「えっ・・・・・・」
「あれっ、御前もかよ」
星華も彼もだ。同時に声をあげた。
「来てたの、遊園地に」
「ああ、そうなんだよ」
こうだ。お互いにきょとんとした顔で言い合う。
「実はさ」
「そうだったのね」
「それでさ、佐藤」
陽太郎は表情を普通のものにしてから星華に尋ねた。
「ジェットコースターどうだった?」
「どうだったって?」
「いや、面白かったか?」
陽太郎がここで月美に尋ねたのはこのことだった。
「それな。どうなんだ?」
「いいわよ」
月美は微笑んでこう答えたのだった。
「スリルがあってね」
「そうか。じゃ
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