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彼願白書
逆さ磔の悪魔
オープニング・ムーヴ
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指示は追って伝える。今回は俺も指揮艦で出て、直接指示を出す。いいな?」

『Guardは誰を?』

「那珂に照月と凉月、それと瑞鳳を付けさせる。」

『万全を期そう、といくら配備しても思えないのデショウガ……サラとジャーヴィスをそこに付けてクダサイ。』

「サラとジャーヴィスを……?何故だ?」

金城は金剛の提案に少し、疑問を覚えた。
なぜ、その二人をピックアップしたのかがわからなかったから。
対空迎撃に不安があるから、という理由ならジャーヴィスのピックアップは何故?

『……darlingに少しでもlackがありますように、という願いネ。』

金剛が何か、他に思うとこがあるのは察した。
それを金剛が言わなかった理由を、詮索するのは野暮だ。

「わかった。そうしよう。出撃指示は海域グリッド……」

今は、速やかに金剛達を向かわせるべきだ。
こちらにわざわざ要請を出した、ということはきっと。

金城は金剛への指示のあと、受話器を置いてから一段落着いた大淀達に指示を出す。

「大淀、それに利根。指揮艦の用意を。利根は護衛ではなく、艦内に残れ。」

「了解です!」

「ふむ、了解なのじゃ。」

これより、ブルネイの総指揮所は一隻の艦艇に移行する。
執務室の扉に鍵が掛かり、金城のみならず全員が直接現場へと乗り出す。
この事態は、いつ以来のことか。
そんなことをちらりと大淀は振り返り、すぐに放棄した。
そんなことは、あとで回顧録を書く時にでも思い出せばよい。







「金剛、今回はこの編成でいいのね?」

「他にアリマセン。Perfectとは言いませんが、これがMore Betterと判断するネ。」

金剛の隣には加賀がいる。
出撃した艦隊は、金城の指揮艦の護衛を除いて2艦隊。
そのひとつが、金剛の率いる即応艦隊とも言える編成。
金剛、赤城、加賀、秋月、夕立、そして神通。

直接の殴り合いまで考慮した結果、夕立と神通は外せなかった。

そしてもう1艦隊。

『武蔵より金剛、聴こえるか?やはり、そっちのほうが足が速そうだ。』

「問題ないデス。最新のグリッドを目指して航行してくださいネー。」

武蔵が率いる低速艦を中心にした打撃艦隊。
足の速さや対応力を捨ててはいるが、それ以上に圧倒的な破壊力を有している。
武蔵、扶桑、山城、飛鷹、隼鷹、摩耶という普段だったらまずない、対ネームレベルで真正面から完封、制圧を目指した編成だ。

そして、残る敢えて出してない主力級は、ブルネイそのものの守りとして配し、事態の急変に備える。

金剛が出したプランは、金城が全面的に納得するものだった。

「偵察機、飛ばします。」

「OKネ。GO!」
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