OPENING2:アローラ、俺にとっての平凡な異世界
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?それ」
「そ、そんなことありません!」
マズミの言葉は、アネモネと対照的に脊髄反射でしゃべっているかのように澱みなく、かつ長ったらしい。わざとらしいくらい子供っぽい口調も、相手の気を好悪の関係なしに引こうという意思が感じられる。
まだリュウヤの質問に対する返事が返ってきていないが、理由はわかっている。要するに、構ってほしいのだ。構ってくれなければ、嫌なのだ。
空色の髪に、真っ白な薄いワンピースを着た彼女は、晴れ渡る空のように明るく。照り付ける日差しのように、悪意なく他人に厳しい。それがマズミという女性だ。
「やってくる怪盗君と遊ぼうかと思ったけど、あの子はなきむしラディちゃんの面倒を見てもらってる恩? もあることだし、やっぱりおにーさんに遊んでもらおうかなって。あの子もそろそろ昔のあたしたちみたい難しい年ごろだろうしね。というわけでおにーさん。あたしとバトルしてくれるよね?」
「そんな言い方……なきむしって……」
「あれあれー? おかしいぞー? 昔ラディちゃんに意地悪してたのはアネモネちゃんもだよね? ラディちゃんをかばえば、自分があたしとおねーちゃんにいじめられるかもしれないから。だけどそれでも、間違いなくあたしたちの側についてたよね? なのに、今更──」
「止めろ」
ぴしゃりとした、リュウヤの声。マズミの焦点が一瞬彼にフォーカスして言葉が止まる。
「お前の望み通り、ここでポケモンバトルだ。余計な口をたたくのは勝手だが、それを負けの言い訳にはするなよ」
「……ふふふふふっ、やっぱりおにーさんは面白いね!いいよ、始めよっか!」
マズミがジュナイパーから降り、二体の飛行タイプのポケモンが空中で激突する。怪盗クルルクがやってくるまでは、まだ何時間はある。予定は違ったが、想定外ではない。かつて島の代表者の座を争った二人が、激突した。
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