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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第42話 目覚める悪魔!イッセーVSグルメ細胞
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えを取って鬼と対峙する。


「……」
『……』


 声もなく音もなく睨みあう俺達、だが先に均衡を破ったのは俺の一撃だった。空気を斬る音と共に鬼の顔目掛けて放たれた右ストレート、その一撃を鬼は涼しげな顔で喰らった。


『ふん』


 鬼の腕がブレたと思えば俺の体に鋭い痛みが走った。最早感で防いだその一撃はたったそれだけで、体中の気力と体力を根こそぎ持っていかれたような気がするほど重く響く一撃だった。


(ぐっ、意識を逸らすな……!)


 飛びそうになった意識を気合で持ちこたえさせ、迫り来る殴打の嵐に向かっていった。一発でもマトモに受ければ即死の一撃を俺は紙一重で凌いでいた。


(恐怖に飲み込まれるな、死を乗り越えろ!)


 身体は傷ついていき血が辺りに飛び散っていき、攻撃を防御する腕や足は赤黒く腫れあがっていく。それでも俺は後退はしなかった、歯を食いしばり必死で鬼の攻撃に耐えていく。


(勝機を捨てるな!喰らいつけ!)


 俺の攻撃は鬼には蚊ほども通じない、体から痛いという感覚すら感じなくなってきていた。追い込まれているのは俺のはずだが微塵も諦めるつもりはなかった。


『これで最後だ』


 満身創痍の俺に鬼は、トドメの一撃と言わんばかりの凄まじい速度の拳を放ってきた。間違いなくあれを喰らえば死んでしまうと確信する程の迫力がそれに込められていた。


(俺は負けねえ!ドライグや小猫ちゃん、オカルト研究部の皆と生きていくためにも!イリナに謝るためにも!……そして必ずGODを手に入れるためにも!!)


 悲鳴を上げる体の危険信号を無視した俺は、腕が千切れても構わないという勢いで拳を繰り出した。


「うおおおォォォォッ!!」


 技術もへったくれもない唯の突き、必死の思いで繰り出した俺の拳と鬼の拳が激突した。


『これは……』
「……」
『……』


 力と力がぶつかり合った、その結果はどちらも吹き飛んだりせずにその場で立ち尽くしていた。
 それを見たドライグが驚きの声を上げていた、何故なら鬼の一撃を受けても俺は死なずにそれを相殺したからだ。


『……どうやら多少は掴めたようだな』


 鬼はそう言うと拳を収めて戦闘態勢を解除した。


「今のは……」
『まだ100%を引き出せている訳ではないが、まあ及第点はくれてやろう。その感覚と力の出し方を忘れるなよ』


 鬼はそう言うと踵を返して何処かに去ろうとする、俺は咄嗟に鬼に声をかけた。


「待ってくれ、どうしてお前は俺を助けてくれたんだ?」
『助けたつもりはない、俺の宿主が余りにも不甲斐なかったから少し喝を入れてやっただけだ』
「そうか
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