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エロゲー世界に神様転生って勝ち組じゃないのか?
第36話 日英共同宣言とアイドル提督の復活 ターン32.5
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は宇宙一のアイドルよ」

「……私のミスがドクツを滅ぼした。私にそんな資格はない」

「万を超えるのドクツ人が、日本に亡命してくるというのに?」

「……えっ?」

「第三帝国の解散コンサートの映像は見てないの?」

「……ああ」

「皆が貴女の次のコンサートを楽しみにしてるのよ?」

「でも今の私はみすぼらしい亡命者だ。もう総統でもなんでもないんだ。
 こんな頼りない私に着いて来る者など」

「ねえ、レーティア。貴女は夢を諦めたの?」

「……夢?」

「ドクツ(ファンシスト)は貴女が総統だったから
 アイドルとしての貴女を応援してたわけじゃないの。

 第一次宇宙大戦の敗北でドクツはどん底だった。
 そのどん底な世界に夢を与えたアイドルが貴女。
 貴女はアイドルとして夢を歌ったから、総統になったの」

「宣伝相の仰る通りです。
 私も総統選挙で閣下の歌を初めて聞いたときは感動しました。
 絶対にこの人ならドクツを変えてくれる。そう信じて票を投じました。
 そこから第三帝国としてドクツを再興させたのは総統閣下ではありませんか」

「ケッテンクラート少佐の言う通りよ。
 ドクツ民は貴女に夢を見たの。そして貴女は最初の夢を叶えた。
 レーティア、一度や二度の敗北で大きな夢を諦めるの?」

「……総統閣下が夢を諦めたというのでしたら、私は何も申しません。
 ですが我々に気を遣っておいでだというのでしたら、それは無用の遠慮です」

「……デーニッツ」

「レーティア、初めて出会った日のことを覚えてる?
 貴女は何一つ肩書のない一人の女の子だった」

「ゲッベルス。……そうだったな」

「みんな貴女と一緒に大きな夢がみたいの」

「我々ドクツ民に総統と共にある以上の夢はありません」

「本当は分かっていたんだ。
 私が為すべきこと……私が望んでいること……
 けど、これ以上、しくじるのが怖くて、ずっと自分に言い訳ばかりしてた」

アドルフの瞳に失われていた光が少しずつ戻る。

「夢半ばで倒れていった何千人、何万人……ここで立ち止まっちゃ裏切ることになる」

「……総統閣下!」

「どうぞ胸を張って、我々に号令を出してください」

「ありがとう、おかげで目が覚めた。すぐ命令を出す。
 デーニッツとケッテンクラートは、それまで待機していてくれ」

「「はッ! 了解しました。ハイル・アドルフ!」」

二人のドクツ軍人がアドルフに敬礼する。

「レーティア、私は貴女のプロデューサーを続けていいのかしら?」

「頼む。私をプロデュースできるのはゲッベルスしかいない」

「じゃあ! さっそくホテルに戻ってからはレッスンね」


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