逆さ磔の悪魔
ケース・スタディ
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イン』対策会議が執務室で行われていた。
「例の空母が、シンプルに単に空母ヲ級が手を付けられないくらい強くなった、ってだけだったら、対空砲火をありったけ用意して直接殴り倒すか、潜水艦達を出して水面下から仕留めればいいだけの簡単な話なんだからな……」
「まぁ、それだけの存在だったら『蒼征』が出てくるハズがない……とは思いましたが、これをネームレベル認定しない方針だった市ヶ谷は何個の鎮守府を潰すつもりだったのか……逆に気になりますね。」
武蔵と赤城が、コピーした資料の束を見てゲッソリした顔をしている。
そこに書き連ねられた内容は、武闘派の武蔵をもってして「これは理不尽だ」とぼやくほどのものだった。
「近付いてしまえばいい、と言えど近付くことがそもそも無理難題に見えますね……」
「あー、こりゃなかなかひどいねー……これって、ホントにこの世にいる生き物?タチの悪い都市伝説とかじゃないの?これ。」
神通も僅かに嫌な表情が見え隠れする。
勇気と無謀の履き違えをわかっている神通だからこその反応だ。
北上ものんびりとした態度は変わらないが、明らかに「関わりたくないです」オーラを出している。
「ひえぇ……こんなの、昨今の異世界転生モノのラスボスでも出せませんよ……なんですか?この馬鹿と冗談が総動員でタップダンスを踊ってるようなふざけた設定。初期設定の時点で却下されますよ、普通……」
「提督、僕はこういうタイプの悪ふざけは少し嫌いかな。」
「これはちょっと流石に要素盛りすぎっぽい。」
サブカルチャーに片足突っ込んでいる比叡がいろんな意味で青褪める、その両サイドで、比叡が持ってる資料を横から見て「ないない」「ぽいぽい」と呆れている時雨と夕立。
「ま、そういう反応になるわな。残念なことに、こういういろいろと自由すぎるアホみたいな化け物を相手をする連中が『蒼征』でな。おっと、でち公逃げるな。」
「これは悪い夢でち……こんなのが現実なんておかしいでち……きっと、オリョールの行き過ぎで変なものが見えてるんでち……オリョール行って休まなきゃでち……」
ゴーヤに至っては現実逃避を始めている。
やはり、今までの集められる限りのネームレベルを参考資料に付け加えたのは間違いだっただろうか。
金城も改めて見返して、こめかみの辺りに痛みを覚えたほどだ。
「これがいわゆる、深海の世紀と呼ばれた時代の化け物です。こんなのがそこかしこにいたのがまぁ、20年前の海だった訳です。」
大淀は普段通りの表情で、信じがたい事実を淡々と説明する。
「超大和級航空戦艦を旗艦とした大艦隊、火山島そのものを動力にした菌糸生体兵器群、本土の連合艦隊の2/3を擂り潰したモンスター、この前のトラックを壊滅させた海竜……と、表に出
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