516部分:最終話 空に星が輝く様にその四
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最終話 空に星が輝く様にその四
「クレープもあるしね」
「あっ、クレープ好きなの」
「うん、好きなんだ」
彼からの言葉だった。そうだというのである。
「意外かな、それは」
「意外じゃないわ。けれど」
「けれど?」
「クレープもね。食べたくなってきたわ」
「じゃあおうどんの後でね」
「食べよう」
電車の中で笑顔で話をしていた。そうして遊園地に向かうのだった。二人は実際に遊園地に入るとまずはうどんとクレープを食べた。それで身体を温めたのだった。
そのうえでスナックを出てお化け屋敷に向かう。周りは家族連れやカップルばかりだ。誰もが明るい顔であちこちの施設を行き来している。
その中でだ。星華が彼に言う。右隣にいる彼にだ。
「いよいよね」
「そのお化け屋敷にね」
「行こう」
一言での言葉だった。
「それじゃあね」
「うん、それじゃあね」
彼も笑顔で応えた。
「ただ。覚悟が必要だね」
「物凄く怖いんだったっけ」
「もう子供が入って泣き叫ぶ位らしいよ」
子供が泣くというのならだ。それは本物だというのである。
「途中逃げ出す子もいるらしいし」
「そんなに凄いの」
「それでも行くよね」
「ええ、行くわ」
彼の話を聞いて内心少し怖いものを感じた。しかし意を決してだ。答えたのだった。その決意が顔にも出てしまっていた。それでもだった。
「是非ね」
「うん、二人でね」
こうしてだった。二人はお化け屋敷に入った。そこは噂通りだった。暗い病室の中に次から次に動く死体やら狂った医師やら不気味な看護婦やらが出て来る。時折光る青い照明がさらに不気味さを醸し出す。
その中でだ。星華は何とか己を保っていた。しかしだった。
お化け屋敷を出るとだ。彼女はもう泣きそうな顔になっていた。それでほっとなっていた。
その彼女を見てだ。彼が言ってきた。
「怖かった?」
「ちょっとね」
本音を隠しての言葉だった。
「怖かったわ」
「そうだったんだ」
「いや、凄かったわよね」
ついついだ。本音を出してしまった。自分では気付かずに。
「あんなに怖いなんて」
「そうだね」
彼はだ。星華のそうしたことはわかっていた。しかしそれはあえて言わずにそっとしておいてだ。そのうえで彼女にこう話したのだった。
「それでだけれど」
「今度は何処に行く?」
「ジェットコースターはどうかな」
こう星華に勧めるのだった。
「そこはどうかな」
「そうね」
ジェットコースターと聞いてだ。星華は少し考える顔になった。それからあらためて彼に答えた。
「じゃあ次はね」
「そこにするんだね」
「いいかしら、ジェットコースターで」
「いいよ」
笑顔でだ。星華に答えた彼だった。
「じゃあ次はそこにね
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