第5章:幽世と魔導師
閑話15「最期の弾丸」
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かった。
「俺は、確か……!」
そこまで思い返して、俺は思い出す。
自分が殺された事を。
「っ、っ……!」
手を見て、体を見た。
だが、そこに傷はない。
失ったはずの右腕も元に戻っていた。
「……ないのは、デバイスだけか……」
デバイスだけが失っている。
それを理解して、俺は一度立ち上がる。
「(服装はバリアジャケットのまま。だが、俺は殺されたはずだ。どの道、デバイスがない状態でバリアジャケットは維持し続けられない。……どうなっているんだ?)」
困惑は解けない。
第一に、俺は殺されたはずなんだ。
心臓を刺されたし、そのあと左肩から思いっきり斬られたはずだ。
「夢……ではないか」
頬を抓ってみたが、明らかに感覚はあった。
意識もはっきりしているし、どうも夢には思えない。
「(……死後の世界って奴か?)」
一部の次元世界や、地域などでは、宗教などでそんな世界があるとか言われている。
あまり意識していなかったが、状況から見てそうとしか思えない。
「……どうやら、悠長に考え事をさせてくれないらしいな」
辺りから……正確に言えば、周囲の黒い霧のようなものから、異形の存在が現れる。
しかも、明らかに俺に対して敵意を抱いている。
魔法生物とも違うそれらに対し、俺は魔法を使おうとするが……。
「(っ、デバイスがないと、碌な魔法も使えないな……!)」
すぐにデバイスが手にない事を思い出し、自力で術式を練る。
簡単な魔力弾なら使えるため、まずはそれで牽制をする。
「(数が多い!どれほどの強さかわからないが、ここから離脱するべきか!)」
ここがどこだかわからないが、ずっと留まっているには不適切な場所だろう。
俺はそう判断して、包囲網を抜けるように駆け出した。
「(まるでロストロギアで汚染された土地のようだな……)」
直接対応した事はないが、そういう汚染型のロストロギアも存在する。
そんな例えが出来るほど、俺がいる空間は空気が悪かった。
所々に錆び付いて刃がボロボロになった剣や槍、斧などが落ちている。
水辺があったりもしたが、例外なく汚染されていた。
木々はあったとしても枯れており、地は荒れ果てている。
……まるで、この場所そのものが死に果てたように。
「(……死後の世界らしいな)」
なぜか、納得できてしまう。
俺はおそらく生きていないのだろうから、こういうのも受け入れてしまう。
……そんな、“諦め”の感情が過ったからだろうか?
「っ、しまっ……!」
正面から襲ってくる敵に、気づくのが一瞬遅れてしまった。
「ッ……!」
やってく
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