第5章:幽世と魔導師
閑話15「最期の弾丸」
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幸いした……!)」
さらに、守護者は魔力ではなく霊力を扱う。
魔導師であれば魔力の動きで読まれたかもしれない行動が、守護者相手なら通じた。
その事もあって、ティーダの攻撃が命中したのだ。
「っ……ぉおおおっ!!」
―――“Variable Barret”
力を振り絞り、間髪入れずに魔力弾をもう一発放つ。
「かっ……!?」
今度は弾かれる事なく、守護者へと命中した。
「(俺の命と引き換えに、そっちも傷を負ってもらう……!)」
撃ち込んだ魔力弾には特殊な術式が込められていた。
それは着弾した箇所にもう一発魔力弾を当てれば、魔力が炸裂するというもの。
それを守護者の腹に撃ち込み、内部から炸裂させようとしたのだ。
「ぁあああああっ!!」
ラストもう一発。
死んででも撃ち込もうと、魔力を練り……
「ッ、ァ……」
左肩から、袈裟斬りを食らった。
「ッ、ッッ……!」
肩からバッサリと斬られたため、残った左腕が上がらなくなる。
それだけじゃない。……既に致命傷を負った上で、さらにダメージを負ったのだ。
もう、ティーダは魔法を放つ力を残していなかった。
「(……くそ……!)」
歯を食いしばり、踏ん張ろうとするが、耐えきれない。
握っていたデバイスは地面へと落ち、遅れてティーダの体も倒れ伏した。
「(……あぁ、もう、これ以上は無理か……)」
既にティーダに興味を失ったのか、守護者はティーダの前から立ち去っていた。
腹に一撃を貰ったため、離れた所で一度治療するのだろう。
「(……悪い、ティアナ。こんな所で、死んじゃうなんてな……兄失格、だ)」
薄れていく意識。
自分からどんどん血の気が引いていくのを、ティーダは自覚していた。
「(……優輝君。いや、この際誰でも構わない。どうか、ロストロギアが目覚めさせたあの災厄を、止めてほしい……)」
自分にはどうしようもできなかった事を悔やみ、ティーダはそのまま……
……息絶えた。
=ティーダside=
「っ……ぅ……」
戻るはずのない意識。戻るはずのない視界に、一瞬頭が追いつかなかった。
「ここ、は……?」
現状を理解するよりも先に、今いる場所が不可思議な事に気づく。
「なんだ、ここは……!」
辺りに薄く漂う黒い霧のようなもの。
見るだけで寒気が走るような、明らかに触れてはいけないものだと分
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