第5章:幽世と魔導師
閑話15「最期の弾丸」
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「(―――る……?)」
突風が吹いた感覚を、ティーダは感じた。
同時に、ほんの一瞬のみ、銀閃が見えた気がした。
「……ぁ……」
視線を僅かに後ろに向ければ、そこにはティーダに背を向ける守護者の姿が。
そして、手には振り抜かれた刀があった。
「………」
そのままティーダは視線を正面へと戻す。
そこには、砂塵に穴が開き、寸前まで守護者がいた形跡があった。
「っ……」
そして、右腕に喪失感があり、右手を確認した。
直後に後ろを振り返る。
「ぇ……」
その時、ティーダの視界を上から下へと横切るものがあった。
地面へと落ちたソレを見て、ティーダは血の気が引いた。
……それは、ティーダの右腕だった。
「ッッ……!?」
瞬間、ティーダに激痛が走る。
片腕を斬り飛ばされたのだ。
これで顔色を変えずにいられる程、ティーダは痛みに適応していない。
「が、ぁあああああ……!?」
這いつくばり、痛みに耐えるティーダ。
だが、それを呑気に眺める程、守護者は優しくない。
「ッ……!」
辛うじて視界に入れていた事で、振り下ろされた刀を躱すティーダ。
少しでも意識を逸らしていたのなら、首を落とされていただろう。
―――“Rapid move”
「ぐっ……!」
ティーダは痛みを堪え、守護者を見据える。
そのまま、知識に入れておいた止血方法で応急処置をする。
「……!」
だが、守護者が悠長にそれを待つ訳がない。
―――“Fake Silhouette”
そのため、ティーダは幻影を用いて守護者の攻撃を躱す。
ドッ!
「ッ……!?」
だが、その上でティーダの頬を掠めるように、矢が通り過ぎる。
矢はそのまま背後にあった木へと突き刺さる。
「(幻影に引っかかった上で、俺の居場所を瞬時に特定した……!?)」
ティーダは幻影をもう一体作り出そうとしていた。
そのため、運よく矢が掠める程度に収まっていたが、それでも場所を特定されていた。
「(次も誤魔化せるなんて考えたらダメだ。そもそも勝つ必要どころか、戦う必要もない。目晦ましさえ成功すれば、そのまま逃走を……!)」
これ以上の戦闘をした所で、無駄に死にに行くだけだった。
元々生き残れるとは思っていないティーダだったが、それでも妹のティアナのために生きて帰ろうとしていた。
だから、ただ“戦闘”を行うだけでなく、何とか目晦ましをする方向性にした。
―――“|Fake Silhouette《フェイ
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