第5章:幽世と魔導師
閑話15「最期の弾丸」
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膜状のバリアを張る事で相手のバリアを中和し、突破する効果を持つ。
それは、霊力や瘴気を相手にしても効果を発揮した。
「(中途半端でもいい。展開速度を上げる!)」
―――“Variable Barret”
―――“Variable Shoot”
効果があると分かった瞬間、ティーダはそれを連射した。
しかも、速度と貫通性を持った魔力弾と、誘導性を持った魔力弾に使い分ける。
一瞬とは言え、全方位からの射撃が、守護者を襲う。
「ッ!!」
「っ……!」
刹那、その包囲を突破するかのように守護者が動く。
刃が振るわれ、魔力弾を切り裂きつつティーダへと迫る。
自己防衛のために、それまで緩慢だった動きが一瞬で鋭くなった。
―――“Rapid move”
刀の一撃がティーダに迫るが、一歩先にティーダは手を打っていた。
高速機動魔法で飛び上がり、その一撃を躱した。
「なっ……!?」
―――“風車-真髄-”
しかし、それを読んでいたかのように、御札がティーダへと迫る。
そして、風の刃が炸裂し、ティーダの体は切り刻まれた。
―――“Fake Silhouette”
……かのように見えた。
実際に切り裂かれたのはティーダが使った幻影魔法による幻。
本物は幻影の反対側に跳んでいた。
「(相手にとって俺の魔法が初見で助かった!このチャンスはこれ以降訪れない!ここで、一撃だけでも決める!!)」
守護者は魔力弾の包囲を突破した際に、ティーダが跳ぶ前の位置を通り過ぎていた。
そして、幻影は避ける時にすれ違うように跳んでいた。
つまり、その反対側に跳んだティーダは、現在守護者の真上にいた。
初見の相手だからこそ訪れた千載一遇のチャンスを、ティーダは逃さない。
「(全力で!叩き込む!!)」
構える二丁のデバイスの銃口に魔力が集束する。
守護者がティーダの位置に気づくが、反応が僅かに遅かった。
「“ファントムブレイザー”!!!」
全身全霊。渾身の砲撃魔法が、至近距離で守護者へと叩き込まれた。
「っ、はぁ、はぁ……!」
ごく僅かな時間で行われた、死に片足を踏み入れた戦闘。
その緊張感に、ティーダは既に息を切らしていた。
「(至近距離で直撃。例え格上の相手だろうと、そう簡単に防がれる事はないはず)」
少なくともダメージは通っただろうと、ティーダは砲撃魔法で発生した砂塵を見る。
「(さぁ、どう来―――)」
―――ザンッ
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