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彼願白書
逆さ磔の悪魔
ティータイム
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度こそ盛大に肩を竦める。
そりゃそうだろう。
普通の量産型がまた出現したならともかく、死んだ奴がまた浮いてくるなんてのはさすがにおかしい。

「金剛、俺達の相手は言ってしまえば、もともと死んでた奴等だ。もともと俺達の仕事がGhostBuster'sで、あっちの今回の仕事がVampireHunterだとしたら?」

「darling、ワタシが知っている範囲で海の上を往くことが出来たVampireは、VclassDestroyerのVampireだけデスヨ?VampireとWitchは水に沈むのが相場、ってものデース。」

「じゃ、この報告書は『大本営発表』?」

「そう考えるのがMore betterデス。わざわざMr.CraftyFoxが動く時点で、ワタシならそう考えマス。」

ここまで話して、金剛は俺と同じ結論に辿り着いた。
つまり、常識論では「実際には一回も沈んでいないし、手に負えないネームレベルと認めるまでに相応の時間がかかった。それがようやっとニライカナイの出陣と相成った。」と考えるべきだ。
しかし、その常識論が残念ながらただの希望的観測だったと、後から壬生森から送られてきたデータで打ち砕かれてることになった。








「テートク、最近……弱くなりマシタ?」

「あぁ、そうかもしれん。君としてもそろそろ、殺し時か?」

ティーポットを片手に持ってデスクの向こう側に立つ金剛に、壬生森はタバコを灰皿に押し付けて、火を消したあとに向き合う。

「ワタシを叢雲や加賀が消そうとしていない内は、まだまだ先のことデスネ。それがわかっているから、ワタシの淹れるティーを平気で飲めるのでは?」

「論理的にはそうだね。」

「別の理由は?」

「君の趣向が、紅茶に不純物を混ぜるのを許せないと思っている。そして、君と叢雲には、いつでも殺されていいと思っている。それだけだ。」

「加賀は、どうなんデスカ?」

「加賀に殺されるのは、ちょっと違うかな。加賀が頼まれていて殺しに来るなら、仕方ないけど。」

とくとく、と空のティーカップに鮮やかな紅色が注がれていく。
彼女のこだわりは、注いでいるその仕草の淀みなさでもわかる。

「僕が驚くとしたら、熊野が僕を殺しに来た時だろうね。君も野心を抱くようになったか、って。」

「熊野はそんなことをしまセンヨ。」

ドウゾ、と出されたティーカップを受け取る。
久しぶりに金剛がレディグレイのいいのが入ったので、と持ってきただけあって、なかなかに美味しい。
そんないい茶葉で私とお茶会など、真っ平だろうと思うのだが。
まぁ、何かしらの理由があるのだろう。
金剛がその用件を切り出すのを、待つことにする。
待つのに苦心しないくらいには、
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