逆さ磔の悪魔
アンクル・サム、アンサーミー
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
鬼没のオバケが抱えていると?」
「そういうことだ。君達も最近は苦戦しているようじゃないか。タイプ―マスターシップやコルドロンがメインとなっている現場での苦戦の現状に、ブレイクスルーのキッカケに飢えているのは、君達のほうも同じであろう?」
報酬に情報共有をちらつかせてまで、米国がわざわざ求めているのはなんだと言うのか。
壬生森は、この案件に絡み付いている利権の蔦が見えてきてウンザリする。
「君たちの言う暫定ネームレベル、『リバースド・ナイン』の撃破を我々にやらせていただきたい。」
「我々?君達に撃破出来るとでも?あれが“ネームレベル”とわかっていて、君達は撃破出来ると?あれは通常の戦力では落としきれんよ。そうでなければ、これまで5度の撃破報告と6度目の発見報告が上るハズがない。」
最初は、なんの変哲もない空母タイプの姫クラスと判断されていた。
それが、とある泊地に襲撃をかけて、半壊させたというビッグニュースは、最初はその泊地に問題アリと上層部は判断した。
壬生森さえも最初は、「トラックでの反省が現場レベルでは生かされていないらしい」と肩を竦めた。
しかし、相次ぐ旅船団への襲撃と、作戦行動中の艦隊、とりわけ空母打撃群への最悪としか言いようがないタイミングでの横槍での襲撃と、辛うじての撃破報告が何度かあって、ついに5度目の撃破報告が確実なものであったことから、壬生森はようやっと分析にかかろうとした僅か三日後に『傷を負ってはいるものの未だに健在』という冗談のような報告が市ヶ谷と永田町を駆け抜け、ついに壬生森は『あれは量産型の新たな姫クラス』という規定路線に進もうとしていた閣僚会議に『あれは新たなネームレベルだ』という現実を突き付けにわざわざ内地に出張してきたのだ。
「あれの正体が“睡蓮”や“光輝”だったならば、既に海の底に沈んでいるハズだ。つまり、アレの正体はこの時点では、たった一隻に絞られている。そして、これが正解であったなら、あと4回は沈めても恐らく還ってくる。そして、我々は莫大な出血をあの一隻に強いられるだろう。アレは、そういうものだ。だからこそ、そうなる前に、我々がアレを擂り潰す。」
「アレがなにかわかっているからこそ、譲れないと?」
「あぁ、我々にとってアレは死神の同類項だ。存在することが問題のイレギュラー、ターニングポイント、断固として消し去らねばならないものだ。既にこちらで上がっている報告も、そうすべきと結論付けるに値するものだった。あれがネームレベルとして更に覚醒した暁には、現在の我々が築き上げてきたシーレーンが崩壊する。そうなれば、どれだけの艦娘を死地にやることとなる?」
車内が無言のまま、車はハイウェイを駆ける。
壬生森は珍しく、自分が強硬論に出ているのを自覚している
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ