515部分:最終話 空に星が輝く様にその三
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最終話 空に星が輝く様にその三
「自由に着られるからね」
「うちの学校制服色々あるけれどね」
「それでもね。やっぱりこうした時はね」
「私服がいいわよね」
「佐藤さんはあれ?」
その星華の私服を見ての言葉だった。彼の服は黒いジーンズに黄色のジャケットである。ジーンズにその長い足がよく出ている。
「私服はいつもそんな感じ?」
「ええ、そうなの」
その通りだと答える星華だった。白いコートにだ。青いスラックスという格好だ。その首にはだ。白いマフラーが巻かれている。相手に比べていささか重装備である。
「こうした感じなの。ズボンで」
「ズボン好きなんだ」
「動きやすいからね」
こう彼に答えた。
「だからなの」
「ああ、そうだね」
彼もだ。星華のその言葉ににこりと笑って答えた。
「ズボンって女の子でもそう言うよね」
「本当は学校でもね」
「ズボンの方がいいんだ」
「そうなの。けれど制服は絶対にスカートじゃない」
「うちの学校でもそうだしね」
確かに多くのデザインの制服がある。だがそれでもなのだった。女子の制服はどれもスカートである。そのことだけは変わらないのだった。
それがわかっているからだ。彼も言うのだった。
「そこがあれなんだ」
「スカートもいいけれどね」
星華はスカートも認めるのだった。
「女の子しか着られない服だし」
「だからいいんだ」
「スカートを穿くのは女の子の特権だし」
「それでなんだ」
「そうなの。個人的にスカートも好きなの」
ズボンも好きだがスカートもだというのだ。どちらも好きな星華だった。
「デザインは選ぶけれど」
「どんなデザインのスカートが好きなの?」
「実はロングが好きなの」
そちらが好きだというのであった。
「フレアースカートとかね」
「長いのがなんだ」
「冬暖かいから」
それが理由だった。星華がロングスカートを好む理由は。
「だからね。好きなの」
「暖かいから?」
「ミニだと冬寒いじゃない。だからロングなのよ」
「ひょっとしてズボンも」
「その理由もあるの」
ここでは星華の笑みは少し照れ臭そうなものだった。
「暖かいから」
「成程ね。暖かいからなんだ」
「そうよ。女の子って寒がりなのよ」
「よく言われるけれどそうだったんだ」
「覚えておいてね。じゃあ遊園地に着いたら」
「お化け屋敷だね、最初は」
「ううん、そこじゃなくて」
笑顔でだ。星華が言った場所は。
「食べよう。最初にね」
「あっ、食べるんだ」
「ハンバーガーかラーメンか」
そうしたものを食べるというのだった。
「ううんと、一番いいのはおうどんかしら」
「うどんなんだ」
「あったまるから。だからね」
それでだというのだった。ここ
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