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レーヴァティン
第六十八話 女枢機卿その十二

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「革命からのフランスとか共産主義国家みたいにな」
「そういえば共産主義国家って大抵徴兵制だったわね」
 留奈も言われて頷いた、共産主義国家のそのことについて。
「ソ連とかね」
「ああ、そうして結構な兵力持っていただろ」
「そうだったわね」
「スウェーデンとかスイスもな」
 久志はこうした国々の名前も挙げた、彼等があちらの世界で通っている八条学園は世界中から留学生が集まるのでこうした話も聞いて知っているのだ。
「徴兵制でな」
「それなりの兵力を確保出来るわね」
「ああ、徴兵制だとな」
「それでもよね」
「これやって士気が低い奴揃えてもな」
 徴兵制は義務だ、その検査に合格すれば兵に出来るがそこまではあまり顧みて集めることはないものだ。
 それでだ、久志もこう言うのだ。
「そんな兵隊よりもな」
「志願制にしてなの」
「士気の高い奴集めてな」
「弱兵の中でも」
「ああ、そうして鍛えていってな」
 士気の高い兵達をというのだ。
「強い兵隊にしていくべきだろ」
「そう考えてなのね」
「俺は志願制でいいと思うぜ」
 こちらの制度を選びたいというのだ。
「こっちの世界でもな」
「今の日本みたいだな」
 芳直は久志の考えを聞いて自分達の祖国のことを述べた。
「自衛隊な」
「ああ、けれどそれでいいだろ」
「正直役立たず揃えるよりはな」
「精鋭の方がいいよな」
「多少数は少なくなってもな」
 芳直は兵が募集に応えるだけ集まらない可能性も考えた、だがそのデメリットを考慮してもだったのだ。
「それでもな」
「精鋭の方がいいな」
「俺っちもそう思うぜ」
 芳直は久志に微笑んで答えた。
「志願制でな」
「そうだよな、やっぱり」
「徴兵制は士気が低い奴が集まったりしてな」
「傭兵もな」 
 こちらはというと。
「金次第だからな」
「寝返ったりもするな」
「敵にな」
 実際にそうした話は歴史にあった、ハンニバルはヌミディア騎兵達を雇っていたがローマに雇い返されてそれで主戦力を敵に回す羽目になり最後は敗れている。
「だからな」
「傭兵よりもか」
「志願制だろ。それに傭兵って金次第でな」
 また彼等のこの要素を指摘する久志だった。
「略奪もするしな」
「それも問題だよな」
「ああ、略奪とかそれに伴う悪事とかな」
 そうしたことをされるというのだ。
「政をする方としては迷惑だよ」
「評判落とすからな」
「ああ、だからな」
「兵は志願制で集めてか」
「鍛えて軍律も厳しくしてな」
 そうしたこともしてというのだ。
「強い軍隊にしてな」
「その軍隊で戦っていくか」
「旗揚げしたらな」
 その時はというのだ。
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