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戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE3:おやすみ、私はもうたくさん
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ゆる孤児だ。だから、このコテージに住んでいる。
 もともとこのコテージは、親のいない子供たちが住まう孤児院だったのだ。

 孤児院が建てられた理由は百年ほど近く前にさかのぼり、異なる地方とのポケモントレーナーどうしの関りが爆発的に増えた結果、本来価値観の違う男女の間に子供が生まれ、結果育てることができず捨てられる事例が後を絶たなかったらしい。
 だがそうした事態の解決に世界中が取り組んだ結果、ポケモントレーナー、及びそれを養成する原因となるポケモンリーグが廃止され。結果として孤児も減っていき、ここに住む孤児もクルルクだけになったというわけだ。

「クール・ピーター・ルーク。お前はアローラを股にかけ、ポケモンバトルで人々の心をつかむ怪盗になれ!!って言われた時はびっくりしたなあ」

 ポケモンバトルも、人々の行きかう場所で恒常化してしまうと不慮の事故のもとということで特に理由なく行うことは禁止された。だが『ポケモンバトル』という文化を残したかった人たちが、自分や島キャプテンのような人間を特別に用意して、直接観戦したりテレビで見るエンターテイメントで一般に提供することになったそうだ。今日もテレビ局の人がカメラを用意していたし、このアローラでは少なくともそうなっている。
 ラディは孤児ではないのだが島キャプテン、メレメレライダーを務めている理由は同様、ここに住む代わりにコテージの主に頼まれたからである。今回止めに来た本当の目的は、宝を守ることではない。
 今回二人は、あらかじめ指令が届いていたのだ。

「『カプ・テテフの惨劇の真実を世に再び知らしめよ』。ちゃんと僕が勝って、模範解答を示したよ」

 アローラの歴史にとって、テテフの粉(の、まがい物)が引き起こした争いは禁忌と呼ぶべき汚点だ。そしてその影響で、テテフ自体を嫌い、恐れる人々が少なくない。
 でも、それは間違いだ。悪いのはテテフというポケモンではなく、その力を過剰に求めた人々。事実から目を背けさせてはいけない。
 だからポケモンバトルというエンターテイメントを通してわかりやすく示させたのだ。怪盗と島キャプテン、という存在を利用して。
 ポケモンバトル自体はどちらが勝てとも指示されていなかったが、クルルクが勝ったほうが好都合だったろう。ラディもそれは察していたはずだ。

「ラディ、だから機嫌がよくなかったのかな……うん、きっとそうだよね」

 彼女は手加減はしていなかったと思うが、ゼンリョクは出しづらかったのかもしれない。それで消化不良だったんだろう、とクルルクは結論づけた。
 アローラの夜風は冷たすぎず気持ちがいい。ラディがお風呂を確実に済ませるであろう時間まで、クルルクはまだ真っ黒な海を見つめることにした。 






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