暁 〜小説投稿サイト〜
戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE3:おやすみ、私はもうたくさん
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ケ丼を置いたところで、ちょうどドアの開く音がした。

 クルルクはライチュウと一緒に出迎えにいく。
 金髪のショートヘアに、両腕両足と胸を覆う赤いプロテクターとお腹に青く輝くボール。首に大きめのシルクのスカーフが巻かれている。
 右手に握られたレゴブロックで作ったような銃は、さっき戦った島キャプテンと同一人物であることを示している。

「お帰り、そっちも『メレメレライダー』の仕事お疲れ様ー」
「……怪盗中でもないのにその名前で呼ばないでくれる」

 とはいえ、クルルクに警戒心を持たない。何故なら。


「わかったよラディ。でも今日のルカリオの影分身はすごかったね。バーツキングもびっくりしてたよ」

 砂浜で声を掛けに来た時と格好こそ変わっているが、彼女はこのコテージのもう一人の住人、ラディで間違いない。島キャプテン『メレメレライダー』の正体は彼女なのだ。クルルクはねぎらいの言葉をかけ、彼にとっては昔からそうしていたように頭を撫でようとする。しかし。
 ズドン!!という物々しい銃声がコテージに響く。ラディがクルルクの頭の上に一発撃ったのだ。慌てて飛びのくクルルク。

「危ないよ!?」
「女の子の髪に勝手に触んな!」
「…………そうだね、ごめんね。ポケ丼作ったんだ。一緒に食べよう?」 

 発砲はやりすぎじゃないかと思ったが、本気で嫌がっているみたいなので素直に謝るクルルク。そして食事を用意していることを告げた。

「いらない。七時くらいに食べたし」
「でもポケモンバトルの後って体力消耗するし、何かお腹に入れといたほうが……」
「い ら な い」

 なおも食事を勧めるその顔に銃を突きつけるラディ。クルルクは両手をあげてホールドアップ。
 このままでは埒が明かないしポケ丼も冷めてしまうので、ラディのポケモンに助けを求めることにする。

「ツ、ツンデツンデ。ちょっと助けておくれよ〜」
「レイ、玩<ガン>解除しなくていいから」

 玩<ガン>とはラディ、メレメレライダーの持つ銃及びプロテクターのことである。数秒の沈黙の後。ラディのお腹にある青いボール──ウルトラボールが輝いた。銃、そしてプロテクターが一つ一つの立方体へと分解されていき、さらにボールから出た本体と合体して姿を現す。レンガの煙突のような大きなポケモン、UB:LAY、通称ツンデツンデだ。
 ツンデツンデの体はブロックのような一個一個が一つの生命体であり、普段は灰色だがそれぞれの意志で赤や青になることができる。その性質を利用しラディのプロテクターや銃として変化しているのだ。
 直接言葉を発することのないツンデツンデだが、剣呑な彼女の様子にラディやクルルクが顔と認識する一部を
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