機動戦士ガンダム
2154話
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それこそ獅子や虎のような大きな炎獣を生み出す必要はない。
普通の犬よりも若干大きな、秋田犬くらいの炎獣を数十匹生み出し、解き放つ。
炎獣は俺が何も言わなくても考えを理解しているのか、逃げているバッファローの前に移動する。
女から逃げ出したバッファローにしてみれば、自分よりも遙かに巨大な得体の知れない何かがいきなり前に立ち塞がったのだから、それに驚異を覚えて動きを止めるのも当然だろう。
そして、動きを止めれば後ろから追いかけてきていた女が見事にキャッチし……
「えっと……」
いきなり自分の前に姿を現した炎獣に、どうすればいいのか迷ってる。
騒がれても面倒なので、一応声を掛けておくか。
「それは炎獣。俺が魔法で生み出したものだ。人間には危害を加えないし、その白い炎は触っても火傷をするような事はないから安心しろ」
「……触っても、本当に大丈夫なんですか?」
女は、逃げ出したバッファローを捕またまま、そう尋ねてくる。
いや、興味深く炎獣を見ているのは女だけではない。他のバッファローと戯れていた者達も、炎獣を興味深そうに見ていた。
そこまで興味深いのか?
そう思わないでもなかったが、このUC世界の人間にとって、炎獣やら魔法やらというのは、存在しないのだから興味深くて当然だろう。
「あー……しょうがない。ほら」
このままでは収まらないだろうと判断し、今度は無数の炎獣を作る。
その数、約100匹。
それぞれが犬や猫、狐、狸、鳥……そんな感じで周囲を飛び回り始めた。
何だかバッファローが怯えているようにも思えるが、それは気のせいだろう。
そんな風に思いつつ、俺は改めて周囲に視線を向ける。
元は荒れ地だったとは思えない程に、周囲には木々が生えていた。
まだルナ・ジオンが建国されてから数日にも関わらず、だ。
これは、それこそ休む必要がない量産型W、バッタ、メギロート……それとイルメヤを含めた無人機の面々が、文字通りの意味で24時間働けますか的な感じで働いているからこその結果だ。
樹木の移植や生物を放すといった作業に使われているそれらの総数は、数万どころか数億に達している。
当然ながらクレイドルの中心、セイラの居城の近くにあるゲートの近くでは、かなり忙しい事になっている筈だった。
それこそ24時間働ける云々といった感じで。
セイラの住居たる城は、当然のように防音やら何やらがしっかりとしてるし、ゲートや城の近くには一般人が住む事は禁止されているので、特に問題はなかったのだが……もしそういうのがなければ、一日中家の隣で何らかの工事をしているかのような音で、眠る事が出来なくなっている者もいた筈だった。
そういう点でも、ゲートのある場所をシャドウミラーの基地にすると
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