機動戦士ガンダム
2154話
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には何人かバッファローを手なずけてしまった者もおり、そのような者達は角で突かれるような事はなく、そっとバッファローを撫でたりしているが。
現在ここにいるのは、クレイドルで働く上で牧畜を選択した者達だ。
……何で牧畜でバッファロー? と思ったが、コロニーで育ってきた連中には当然のように牛でも馬でも、それ以外でも、他の生き物に接する機会は少ない。
そんな訳で、牧畜をやる面々は日々様々な動物に触れてるって事なんだが……これ、普通に牛、馬、羊、山羊、ダチョウ、といった、メジャーな動物辺りで良かったんじゃないか?
いやまぁ、山羊やダチョウがメジャーかどうかは疑問の余地ありだが。
ただ、ダチョウというのは雑食性で環境の変化にも強く、肉も不味くはない。卵も巨大で食い応えがあるし、羽根も装飾品の材料として売りに出せる。
ダチョウも人懐っこく、世話をするのに困ることはない。
そういう意味では、かなり将来性のある動物と言ってもいい。
もっとも、絞める時には一手間掛ける必要があるので、万能って訳でもないんだが。
ともあれ、今日はこの連中がバッファローを相手に慣れるという事で、特にやるべき仕事のなかった俺がここを任された訳だ。
俺がいれば、取りあえず安心だとでも思われたのだろう。
こんな小さなバッファローなのだから、俺がいるいないは全く関係ないと思うんだが。
そんな風に考えていると、輸送機が数機空を飛んでいくのが見える。
その輸送機がどこに向かっているのかというのは、進行方向を見れば明らかだ。
そちらにあるのは海で、今日海に魚の類を放すという情報を前もって聞いていたのだから。
「これですぐには無理でも、数年後には新鮮な魚を食べる事が出来るようになるかもしれないな」
今年と来年くらいは、魚の生態系やらクレイドルで生きていた魚に何の問題もないかを調べるといった事をする必要があるだろうが、それが終わればある程度漁も出来るようになる筈だった。
コロニーや月面都市では無理な、漁師という職業。
それがクレイドルに現れるのも時間の問題だろう。
海兵隊所属の誰かさんは、真っ先に漁師になりそうではあったが。
「ああああああああああああっ! ちょっ! アクセルさん! その子達を止めて下さぁいっ!」
飛び去った輸送機を眺めていた俺の耳に、ふとそんな声……いや、悲鳴が聞こえてくる。
その悲鳴のした方に視線を向けると、そこでは先程までバッファローと戯れていた女が、走って逃げているバッファローを追っているところだった。
どうやら、バッファローに逃げられたらしい。
自分で動くのも若干面倒だったので、右手を白炎にして炎獣を生み出す。
とはいえ、バッファローは子犬程度の大きさである以上、わざわざ巨大な……
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