145章 ラッパーのケンドリック・ラマーと、信也
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
145章 ラッパーのケンドリック・ラマーと、信也
9月1日、土曜日、朝の10時。台風の影響なのか、雨もぱら曇り空で、空気
も涼しい。
10時を過ぎたころ、歯科医院の受付を担当する女性から電話がかかってき
た。
きょうの朝の10時に、予約をしていたのを、すっかり忘れていた、信也だ。
「すっかり忘れていました。また次の土曜日の8日の10時に予約できるでしょ
うか?」
「はい、予約できます。それでは、次の8日の土曜日の10時でよろしいです
ね」
そんな電話。
・・・1か月前の歯の検診だったので、きょうの予約を、すっかり忘れてしまった
なぁ・・・
川口信也は、気分転換に、
先日の8月29日に録画した、NHK『おはよう日本』を、テレビで見る。
地上波初登場の、現在31歳、ラッパー、ケンドリック・ラマーのインタビュー。
・・・ケンドリック・ラマーは、トラウマになるような危険な経験が転がっている街
で育ったけど、
『非行に走らずにいられた唯一の理由は父さんが常にそばにいて、
おれの人生に関わってくれたからさ』って言ってる。やっぱり、家族の愛。
そして、2002年の夏、16歳のとき、ケンドリック・ラマーは、レーコーディング・
ブースという、
安全な避難所を見つけたんだ。ブースに入って、ラップに夢中になったんだも
んな。
ここにも、《愛》の力が働いたってもんさ。音楽は、愛そのものだから。
そして、2014年には、グラミー受賞曲の『アイ(I)』とかの、
《まず自分を愛そう!そうしなくちゃ、他人も愛せない!》というポジティブなメッ
セージの、
誰からも愛されるラッパーになっていく。
やっぱり、人生で、1番に大切なのは、《愛》の力なんだろうな。
どんなに、ちっちゃな《愛》でも、ささやかな、個人的な《愛》であっても。
《愛》は、この世界の神秘だし、
奇跡でもあって、《愛》こそが、人生の幸福を実現してゆく、不思議なパワーな
んだろうな!
そういえば、瀬戸内寂聴さんのあの言葉は、
数ある名言のなかでも、最高の名言だよな。
《やさしいということが、人間の1番すばらしいことです。
他人を思いやるということは、想像力があるということ。それが愛です。》
愛=想像力=やさしさ、っていう感じで、簡単明快でいいよ。・・・
録画を見終わって、そんなことを思う信也だった。
信也が見た録画は、2018年7月28日、新潟県の苗場スキー場で
開催の、
『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演したケンドリック・ラマーが、
日本の地上波で初めて受けたインタビューだ。
ケンドリック・ラマーは、ヒ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ