第四十五話 二学期になってその三十二
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「多分大教会でね」
「奥華のですか」
「あそこで、ですか」
「ええ、伏せ込みさせてもらって」
そうしてです。
「もっと成人させてもらってね」
「そうしてですね」
「後は教会に戻られて」
「教会を継がれる」
「お婿さんを迎えて」
「そうなりたいけれど問題はね」
本当にです。
「相手の人がいるかわからないから」
「だったら」
「阿波野君だっていうのね」
私は一年生の娘に返しました。
「そこで」
「違います?」
「何度も言うけれど」
「ただ大教会が同じなだけで」
「何もないから」
私と阿波野君の間にはです。
「そこ本当にわかっておいてね」
「そこまで言われます?」
「言うわよ、最近よく言われるけれど」
本当に言われます、詰所でも挙句にはお家でも。神戸で会った後なんて家族皆からいい子だねとかよくあんないい子見つけたねとかお父さんにもお母さんにも言われました。
「そういうのはないから」
「何だ、ですね」
「そこで付き合ってたら面白いんですが」
「私は面白くないから」
それも全く、です。
「今後そうしたこと言わないでね、じゃあね」
「勉強ですか」
「これからも」
「合格するまではね」
こう言ってでした。
私はまた勉強に入りました、この秋はとにかく受験勉強ばかりでした。
第四十五話 完
2017・8・29
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