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空に星が輝く様に
51部分:第四話 桜の木の下でその十四
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ためて宜しく」
 こう月美に言うのだった。
「これからね」
「はい、宜しく御願いします」
 陽太郎の言葉に微笑んで応える月美だった。
「これからも」
「剣道部と居合部って一緒の道場だしね」
「そうですよね。あっ、私それに」
「それに?」
「弓道部にも入りました」
 それにも入ったというのである。
「そちらも頑張ります」
「えっ、弓道もかよ」
「そっちもしてるの」
 狭山と津島はそれを聞いて目を丸くさせて驚いた。
「武道家なんだな」
「かなり意外」
「意外ですか」
「だってな。凄い美人さんだし」
「おしとやかな感じよね」
 月美のその楚々とした外見を見ての言葉だったのである。実際に彼女のsの外見はどちらかというと文学少女のものである。武道の印象はない。
「あまりそういうのはな」
「感じがないから」
「それでも居合も弓道もいいものです」
 それはいいというのである。
「身体だけでなく心も鍛えられます」
「心も?」
「それもなの」
「はい、私はまだまだ未熟ですけれど」
 性格故か謙遜も出た。
「そう言われています」
「まあ何かさ」
「心は優しい感じよね。礼儀正しいし」
 それはわかるというのである。月美のそうした性格はだ。
「性格美人?」
「そうよね」
「つきぴーは押しが足りないの」  
 椎名がまたぽつりとした感じで言ってきた。
「それは何とかしないと駄目だけれど」
「まあそれは少しずつやっていけばいいんじゃないか?」
 こう言ったのは陽太郎だった。
「ゆっくりとさ。時間はあるし」
「時間はですか」
「そう、やっていけばいい」
 そうだというのである。
「そう思うよ」
「わかりました。では少しずつ」
 月美は静かに頷いた。二人の関係も少しずつだった。
 だがそれと共に確実だった。確実に進んでいっていた。


桜の木の下で   完


                2010・3・20

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