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戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE2:禁忌の神、オレはお前を許さない
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がそんなことをしても、貴様が禁忌の力を使っていることに変わりは──」
「それは違うね」

 闇に差す閃光のような、鋭い声。メレメレライダーの声が止まる。有無を言わさない、怒りを含んだ言葉だ。

「テテフは、みんなと楽しく過ごしたかっただけなんだ。テテフと人間には力の差がありすぎるから、少しでも一緒に遊ぶために粉を渡してた」

 決して大きな声ではないのに、その言葉はよく通る。屋上の観衆たちも自然と耳を傾けた。

「だけど、昔の人間たちはそれがあればもっと仕事の効率が上がると。獲物がたくさん採れると。戦いで強くなれると。そんなことのためにテテフの粉を求めた。だけどテテフでも、島民全員分の粉なんて作れない。だから人間たちは……テテフの粉と同じ効果がある薬を、自分たちで作ろうとしたんだ」

 苦労の甲斐あって、アローラの植物と別の地方から貿易で手に入れた薬でそれは叶った。だけどその粉はテテフの自然の力とは根本的に異なるものだった。

「飲んだ直後の効果は同じでも、それには強い依存性……一度使ってしまうと自分の意志でやめられない恐ろしい毒だったんだ。まがい物の粉で中毒に侵された人たちは、もっと粉を求めた。だけど貿易でしか手に入れられない材料は高価でやっぱり足りなくなった。そして争いが起こって……あとは君の言った通りだよ。それがあの惨劇の真実なんだ!」
「……」

 メレメレライダーが押し黙る。あの事件でテテフはカプの名前を持ち、その中でも特に恐ろしいと言われるようになってしまった。本当は無邪気に人と遊びたかったのに、祠に祀られ、まるで腫物を扱うように人は接触を避けてしまった。クルルクと一緒にいるようになった今でも、そのトラウマは消えていない。

「だが、それはテテフの粉が危険でないという根拠には……」
「だったら見てみればいいさ。屋上にいる人たちを!」

 クルルクがショッピングモールの屋上を指さす。そこでクルルクを見る人たちは、口々にこう言った。

「どうしたー!早くバトルの続きを見せてくれよー!」
「テテフちゃん、今まで誤解しててごめんねー!」
「怪盗を助けるサイコメイカー、サイコーだぜ!!」

 人々は口々に気ままな声援を送っている。警備員も含めてだ。宝は盗まれ、島の代表者が決闘を挑んだ時点で警備の役目は終わりというアローラ島民のお気楽さが表れている。そこには、テテフの粉を無理にねだるものは一人もいない。

「さ、メレメレ決闘の基本ルールは2対2だったよね。続けるかな?」
「……当然だ!出てこいハッサム!」

 メレメレライダーと似た赤い装甲をまとったハッサムが表れる。テクニカルな動きにパワー、そして防御力はかなり高い。

「じゃあ頼んだよサイコメイカー・テテフ!」
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