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戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE2:禁忌の神、オレはお前を許さない
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だ。目にもとまらぬ速さの拳は、テテフの前で寸止めされる。ルカリオが自分の意志で止めたのではない。
 テテフはフィールドに出たときサイコフィールドという空間を作り出す。そこでは本来の素早さを超えた先制技の発動を許さないのだ。

「……引けルカリオ!」
「そうはさせないよ!『ムーンフォース』、だテテフ!」

 本来太陽の光を反射するだけの月が、自らの意思で輝いたようにさえ見えた。夜空から降り注ぐ銀色の光線は後ろに下がろうとしたルカリオを吹き飛ばし、昏倒させる。
 瀕死になったルカリオをボールに戻し、メレメレライダーは舌打ちした。
 テテフはほっとして振り返り、クルルクも右手をあげてテテフの黒い腕とハイタッチする。 

「忌々しい、盗人のお前らしいカプの力だ」
「……僕にもテテフにも失礼だね。どうせ別名をつけるならこの子のことは『サイコメイカー』って呼んであげてくれよ。怪盗である僕を超能力で助けてくれるテテフにふさわしい名前だろ?」

 涼しげなクルルクの態度にも少し真剣みが混じる。テテフはカプ、と呼ばれたことにびくりと震え、バトル中だというのにクルルクの後ろに隠れた。
 だが、メレメレライダーは納得しない。罪状を突き付けるかのように銃を向ける。

「ふざけるな。お前がブティックに侵入するために使った粉。カプ・テテフを象徴する力だが……かつてあの粉がもたらした悲劇を知らないとは言わせない」
「へえ、テテフが何をしたっていうんだい?」
「確かにあの粉は人間の力を引き出す。だが反動として酩酊、効果が切れた後の脱力感、そして何よりひどい中毒性……それが引き起こした惨劇でかつてアローラの一つの島は壊滅状態になった!!」
「……そのことか。もちろん知ってるよ、痛ましい事件だったね」

 テテフの鱗粉は人間にも傷を癒したり力を与えることができる。それを過剰に求めた人間たちの戦いによって人々もポケモンも大きく傷つき、島民の半分は戦いで亡くなり、残りの半分が中毒に侵されたとさえ伝えられる逸話がアローラにはあった。そして、事実だ。クルルクはテテフから直接そのことを聞いている。だからこそ、彼はテテフを手持ちに加えたのだから。

「ぬけぬけと……あの惨劇を知りながらカプの力を盗みに使う貴様は外道中の外道だ、怪盗クール・ピーター・ルーク!!」

 クルルクの屋上にセットした声につられて警備や野次馬が移動した人たちは粉の効果が切れて屋上からクルルクの戦いを見ている。みんなの視線がテテフに集まっている。クルルクと、テテフに、何かを求める目だ。
 
「……テテフ、ありがとう。いったん休んでて」

 視線におびえてしまったテテフをクルルクはボールに戻す。メレメレライダーは続けて言った。

「バトルをやめるのか? だ
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