暁 〜小説投稿サイト〜
戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE2:禁忌の神、オレはお前を許さない
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「君と同じ、持ち物の力さ。二回の『メタルクロー』が直撃した後、体力回復と同時にバーツキングは『ヤタピの実』を食べていたんだ」
「体力が大きく減少した際に効果を発揮する特殊攻撃力を上げる木の実……攻撃力上昇を知りながら回復技を使ったのはこのためか!」
「そういうことさ!バーツキング、『竜の波動』!」
「もう一度『影分身』だ!」

 初撃より威力の上がった波動を、再び分身を作りかわすルカリオ。
 オンバーンは攻撃範囲の広い『爆音波』で攻撃を仕掛けようする。

「だが威力が上がっても当てられなければ意味はないだろう!捉えられるものならとらえてみな!」
「『影分身』がこんな広範囲に……!」

 オンバーンの真下に、メレメレライダーの真横に、ブティックの屋上に、ショッピングモールの壁面に、戦いを見ている警部の頭の上に。『爆音波』ですら一度にはとらえきれないほど散り散りに分身したルカリオにオンバーンは標的を見失う。この規模の分身は今までの戦いでは出来なかったはずだ。
 困惑し、きょろきょろと本体を探すオンバーンに、クルルクは落ち着いて笑いかけた。

「大丈夫だよ。むしろこんな時こそ蝙蝠の王、バーツキングの本領発揮だろ?」
「オ……ーーーー!!」

 不安な顔に自信が戻り、途中から人の耳には聞こえない超音波を放って周りの物体を探る。場所のわからない『移ろいの靴』を見つけ出したように、ルカリオの本当の居場所を探すことも可能だ。
 オンバーンは狙いを定める。それはメレメレライダーの真横のルカリオ。あれが本体だという確信をもって、最大の力を込めて『竜の波動』を放つ。

「果たして当たるかな?」
「うん、バーツキングの超音波が狂うことはあり得ないからね!」
「その信頼、さすがだと言いたいが……甘いぞクルルク!」
「!!」

 波動の渦は、三度ルカリオをすり抜けた。クルルクの目が見開き、オンバーンも驚愕する。

「忘れたか?波動を操るルカリオ最大の特徴を。そっちが超音波で探る時にルカリオ自身が波動を放ち、音波を歪めたんだ」

 本物のルカリオは、メレメレライダーの後ろから現れた。フルパワーの攻撃を放ち、隙の出来たオンバーンに放つのは──

「『竜の波動』だルカリオ!!」
「バーツキング!」

 意趣返しのように同じ技が放たれ、宙を飛ぶオンバーンに直撃する。オンバーンの体が落ち、地面に膝をついた。瀕死にはなっていないが、体力はあとわずかだ。

「とどめを刺せ、『バレットパンチ』!」
「交代だ!頼むよテテフ!」

 一気に距離を詰め、波動によって鋼鉄プレートのかぎ爪が今度はナックルダスターに変化し拳を叩き込む直前、オンバーンはボールに戻る。そして出てきたのはピンクの守り神、テテフ
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