暁 〜小説投稿サイト〜
戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE2:禁忌の神、オレはお前を許さない
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 ブティックのお宝、『移ろいの靴』を見事盗み出した怪盗クルルク。脱出しようとしたところを待ち構えていたのはアローラ地方の代表者の一人、メレメレライダーだった。160cmほどのクルルクより少し小さい体を頭、手足、胸を赤い装甲で覆った相手の実力は本物だ。レゴブロックで作った玩具のような銃から放たれる、舗装された地面さえ抉る弾丸が端的に示している。
 とはいえ、クルルクにひるむ理由はない。本物の実力を持っているのは、自分も同じことだからだ。相手のルカリオがボールから出てスタートを切る前に、オンバーンに指示を出す。

「先手はもらうよ。バーツキング、『竜の波動』!」
「『影分身』でかわせルカリオ!」

 口から放つ渦を巻く波動がルカリオを貫く。だがそれはすでに分身となっており、空を切るだけに終わった。

「ルカリオ、受け取れ!そして『メタルクロー』だ!」

 メレメレライダーが鋼鉄で出来たプレートを投げる。オンバーンよりも高く移動したルカリオがキャッチすると波動の力により変形し、鋼のかぎ爪となってオンバーンの翼を傷つけた。

「素早いね。だけどその程度のダメージなら『月の光』だ!」
「その隙に叩き込め、『メタルクロー』!」

 オンバーンが宙へ飛びあがり、月に近づいて光を浴びる。だがルカリオもブティックの壁を駆け上り、さらに跳躍してその体を引き裂いた。

「オオオン!!」
「『月の光』で癒しきれてない……!」

 回復を終えてなお鋼の爪による傷は残っている。本来の『メタルクロー』の威力はそこまで高くないはずだ。しかし。

「この星が生まれる時にできた十八種の結晶の一つ、鋼鉄プレートを装備したルカリオの攻撃力は1.2倍にアップする!さらに!『メタルクロー』による攻撃が成功した時、自身の攻撃力を1.5倍にすることができる!つまり2回目の攻撃力は…………」
「1.8倍、ってわけか。やってくれるね」
「……そういうことだ」

 言葉に詰まったメレメレライダーの説明を補足しつつ状況を把握するクルルク。しかも2回目の攻撃成功で威力がさらに上がった可能性もある。『メタルクロー』による攻撃力上昇の確率は低いとはいえ、油断はできない。

「だけど、攻撃力を上げられるのは君だけじゃない!バーツキング、『爆音破』!」
「バアアアアアン!!」

 宙から降りたルカリオに、オンバーンは耳と口から強烈な音波を放つ。頭上から衝撃をたたきつけられ、ルカリオの立つコンクリートがめきめきと音を立てて沈み、体がよろけた。
 『爆音波』は威力は高いがオンバーンとタイプの一致しないノーマル技。鋼タイプのルカリオには効果今一つ。だが決して小さくないダメージが刻まれる。

「威力を上げる技を使う暇はなかったはずだが……
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