暁 〜小説投稿サイト〜
繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
06.そうだ、刑務所に逝こう。
第14回
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
為だけで、他に理由なんてありません!!」
「本当に? 本当にそうなの?」

 手に力を入れて、琴葉の手を握るフラン。琴葉の上に四つん這いになり、逃がさない、と言わんばかりの威圧を掛ける。

「…………止めて! 離して!!」
「早く本当の事を話せ。何か他にも理由があるのだろう?」
「無い! 無いから、退いて……ッ!!」


「じゃあ如何為て逃げようとする。別に、隠し事の一つや二つ、誰にだって或る物だ。琴葉にだってね。けど、その隠し事の内容では、それを探らないといけないんだ。今回は、それに当て嵌まっている。拷問班に受け渡すことになる前に、早く言った方が楽だと思うけど?」


「痛ッ……やだ、退いて………」涙を浮かべる琴葉。
「ねぇ、早く為てくれるかい? 私にも仕事が在るんだ」感情の消えた表情で琴葉を見下ろすフラン。
「隠してなんか無いから! もう止めて、退いて!!」力の限りで叫ぶ琴葉だが、それがフランに届くことは無かった。


「…………矢っ張り、君は拷問班に渡すしか無い、か」
「いや………やだ、止めて…………」
「君に拒否権は無い。此処で言わなかったのが悪いのだからね。構成員を呼ぶから、此処で待っていろ。直ぐに本当の事を言って貰う」
「………やだ、駄目。止めて………ッ!!」
「安心しろ。君が育てた拷問班だ。怖がることは無い」
「…………やだ、お願い……止めて」
「さっきからずっと拒否してるけど、私言ったよね? 君に拒否権は無い」
「や………んんっ!?」

 急にフランは琴葉と顔を近付け、そのまま接吻をする。手を離し、次は後頭部に当てる。

「はっ………さっきから『やだ』ばっかり。子供じゃ無いんだから、もっと違う言葉を遣わないかな?」
「止めて……拷問はいや………っ」
「例え、君が白猫に居たときに受けた拷問の所為で、拷問系を受ける事がトラウマになってるとしても、そう言うの関係ないから。容赦なくさせて貰う」
「………離して…………退いて!」

 そこで、がちゃりと扉が開く。特に挨拶の様な物が無いと言うことは、聖月達八人の誰かだ。
 一瞬フランの気が逸れた隙に、琴葉はフランを突き飛ばして扉へ向かって走る。扉の前には、驚いた表情を浮かべる聖月が立っていたが、琴葉はその横を無言で駆け抜ける。
 後ろで「やり過ぎた、かな」と声が聞こえたが、それも気にせず、琴葉は長い廊下を走った。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ