06.そうだ、刑務所に逝こう。
第14回
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為だけで、他に理由なんてありません!!」
「本当に? 本当にそうなの?」
手に力を入れて、琴葉の手を握るフラン。琴葉の上に四つん這いになり、逃がさない、と言わんばかりの威圧を掛ける。
「…………止めて! 離して!!」
「早く本当の事を話せ。何か他にも理由があるのだろう?」
「無い! 無いから、退いて……ッ!!」
「じゃあ如何為て逃げようとする。別に、隠し事の一つや二つ、誰にだって或る物だ。琴葉にだってね。けど、その隠し事の内容では、それを探らないといけないんだ。今回は、それに当て嵌まっている。拷問班に受け渡すことになる前に、早く言った方が楽だと思うけど?」
「痛ッ……やだ、退いて………」涙を浮かべる琴葉。
「ねぇ、早く為てくれるかい? 私にも仕事が在るんだ」感情の消えた表情で琴葉を見下ろすフラン。
「隠してなんか無いから! もう止めて、退いて!!」力の限りで叫ぶ琴葉だが、それがフランに届くことは無かった。
「…………矢っ張り、君は拷問班に渡すしか無い、か」
「いや………やだ、止めて…………」
「君に拒否権は無い。此処で言わなかったのが悪いのだからね。構成員を呼ぶから、此処で待っていろ。直ぐに本当の事を言って貰う」
「………やだ、駄目。止めて………ッ!!」
「安心しろ。君が育てた拷問班だ。怖がることは無い」
「…………やだ、お願い……止めて」
「さっきからずっと拒否してるけど、私言ったよね? 君に拒否権は無い」
「や………んんっ!?」
急にフランは琴葉と顔を近付け、そのまま接吻をする。手を離し、次は後頭部に当てる。
「はっ………さっきから『やだ』ばっかり。子供じゃ無いんだから、もっと違う言葉を遣わないかな?」
「止めて……拷問はいや………っ」
「例え、君が白猫に居たときに受けた拷問の所為で、拷問系を受ける事がトラウマになってるとしても、そう言うの関係ないから。容赦なくさせて貰う」
「………離して…………退いて!」
そこで、がちゃりと扉が開く。特に挨拶の様な物が無いと言うことは、聖月達八人の誰かだ。
一瞬フランの気が逸れた隙に、琴葉はフランを突き飛ばして扉へ向かって走る。扉の前には、驚いた表情を浮かべる聖月が立っていたが、琴葉はその横を無言で駆け抜ける。
後ろで「やり過ぎた、かな」と声が聞こえたが、それも気にせず、琴葉は長い廊下を走った。
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