06.そうだ、刑務所に逝こう。
第14回
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!? 早くしろ、燃え移る!!」
「だから消火器を使えぇえええええ!!」
「勿体ないんだよ!!」
「何が勿体ないだぁぁああああ!! こう言う時以外に使い道ねぇだろうがぁああああ!!」
「兎に角働いて貰いたいんだよ!!」
「済みません、お客様。本当に済みません」
―――此処で一ヶ月は無理だろ。
八人が揃って思った―――
◇ ◆ ◇
騒ぎが静まり、静かになった廊下。
聖月達八人は、それぞれに与えられた部屋で寛いでいた。
琴葉達八人も、それぞれの部屋で寛いでいた。
「ねぇ、琴葉」
「何でしょう、フランさん?」
―――一人を除いて。
「如何為て君は、私に全てを教えてくれないの?」
「はい?」
ベッドに寝転がりながら、ソファに座るフランと会話をする琴葉。一ヶ月経っても未だに巻いたままの包帯を撫でながら、琴葉は小さく溜息を吐く。
「君は能力について、未だ隠していることがあるだろう?」フランはソファから立ち上がり、ベッドに腰を掛ける。枠がギシリと音を立てる。「君は新しい能力を複製したら、私に報告すると約束為てくれた筈だよ? でも、今回の『人と人を結ぶ糸』? を見ることが出来る能力何て、聞いたことが無い。ねぇ、如何為て隠してたの?」
フランは琴葉の肩を掴み、力を込める。痛みで琴葉が顔を歪め、唇を噛み締める。
「………此の能力は、此の組織には必要無いモノです。糸が見えたところで、何も出来ませんから」フランから目を逸らし、言葉を吐き捨てる様に言う琴葉。
「それは分かってる。けど………本当に出来ることはそれだけ?」そして、フランは更に力を込めて問う。「未だ隠しているでしょう? ねぇ、全て教えて」
「…………糸を切ったり、糸繋がった相手を手繰り寄せる事が出来ます」
だが、フランは未だ満足為ていないような表情をして、琴葉を見ている。「君の能力を遣えば、どんな能力でも複製する事は可能だ。だけど、それは複製為ようとする能力の仕組みや、効果を全て理解しなければならない。此の能力は、其処まで為て手に入れる程、重要な能力では無いだろう? なのに何故、起句の様な言葉が存在しない、見付けることさえ困難な能力を手に入れようと思ったのかい? 何か、目的があるのかい?」
光の無い、冷たい瞳が琴葉に向けられる。フランは琴葉の肩から手を離し、琴葉と指を絡める。覆い被さるような態勢をとり、恐怖と痛みで歪んだ顔を覗き込む。
「………無いです……隠し事なんて。ある訳無いじゃ無いですか!」
「本当?」
「何を、如何為て隠す必要があるのですか!?」
「君は沢山の能力を集める、本当の理由を隠しているのでは無い?」
「私が能力を集めるのは、K猫の強化の
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