第17話
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ぁはぁ”と言う息を切らした声と、女性特有の甘い香りを俺に届ける。
俺は緊張で顔を上げられないまま彼女の目の前に立ち上がる。そして……
「ごめん。急に呼び出して……でも、如何しても伝えたい事があったんだ!」
彼女の方から何か言ったら、ヘタレて恍けてしまう……そう思い、下腹に力を入れて話し始めた。だが彼女の顔を見る事が出来ない……
「な、何……」
彼女は今にも泣きそうな……湿った声で俺に問い返す。
な、何だ……この緊張は!?
こんなに緊張するものなのか?
彼女に断られたって、まだ3人候補が居る……
そう思った瞬間、反対の事も思い浮かぶ。
1人に告白したというのに、振られたからと言って直ぐさま残りの3人に告白なんてしたら、絶対に軽蔑される。
付き合ってくれれば誰でも良かった……そう考えてると思われる!
半年とか一年とか、ある程度の期間をおいて他の3人との仲を進展させてからなら問題無いだろうけど、振られて直ぐの告白は軽薄その物だ。
つまり俺には今日しか……今しか無い!
今この場で告白に成功しなければ、俺は一生彼女等の本当の姿を見る事が出来ない。
うぅ……緊張で吐きそうだ。
でも後には引けない。
目の前の女性は、まだ走ってきた事で動悸が治まってないのか、自分の胸に手を当てて肩で息をしている。
俺は走ってもいないのに、激しい動悸で胸を押さえている。
俯いてる俺の後頭部に、彼女の吐息が規則的にかかる。
これ以上は待たせられない……
言え! 言うんだ!!
「あの……す……す、好きです! 貴女の事が好きです!! 一人の女性として……俺は貴女が大好きです!!!」
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