505部分:第四十話 それぞれの幸せその四
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第四十話 それぞれの幸せその四
「それにやましいところないし。平気よ」
「平気なんだ」
「そうよ。全然平気よ」
こう星子にも述べた。二人は今自宅でテレビを観ながら話している。テレビはクイズ番組だ。タレント達がおかしな解答を出している。
「何言われてもね」
「ううん、何かそれって」
「それって?」
「お姉の言葉じゃないみたい」
こう姉を見ながら述べるのだった。
「そんなに自信があるとね」
「自信っていうかね」
「違うの?」
「ううん、手に入れたから」
妹にもこう話すのだった。
「色々とね」
「色々って?」
「新しい友達に」
まずは椎名のことだった。
「それに。お星様見るようになったの」
「天体観測はじめたの」
「そうしたところね」
「道理で最近ちょこちょこどっかに行くと思ってたら」
「そうだったのよ」
「新しい趣味ね」
星子はただそう思っただけだった。
「それで気分転換できた?」
「気分転換じゃなくてね」
「そうじゃないの?」
「ううんと。星座とかお星様自体を見てわかったのよ」
そうだというのである。
「前向きにいくべきとかね」
「人生訓みたいね」
「そうかしらね。そう言ったらね」
「それでそういうのから勉強して」
「変わったんだと思うわ」
星華は自分の心を見て述べた。今見ているのはテレビではなかった。
「私もね」
「お姉、よかったね」
星子はそんな姉の言葉を受けて微笑みになった。
「そういうものが手に入って見えるようになって」
「自分でもそう思うわ」
「お姉綺麗になったし」
星子は姉の横顔を見て述べた。
「前よりね」
「そうかな」
「ええ、なったわ」
姉の横顔を見たまま再び述べた。
「前より。ずっとね」
「そんなことないわよ」
「ないって?」
「そうよ。変わらないわよ」
自分ではこう言うのだった。
「確かに。性格は変わったと思うけれど」
「性格はなのね」
「多分。前向きになったんだと思う」
陽太郎のことを振り切り椎名と友人になり星を知りだ。彼氏ができてのことである。
「けれど。別に顔は」
「ううん、変わったから」
「顔もなの」
「そう、だから奇麗になったのよ」
姉にまたこう話すのだった。
「とてもね」
「そう見えるの?」
「表情や雰囲気が変わったんだと思うわ」
それでだとだ。星子は予想を立ててきた。
「そのせいでよ」
「ああ、表情や雰囲気でなの」
「ほら、暗い顔してたら」
そうした顔の時はだ。どうかというのだ。
「あまり奇麗に見えないし」
「そうね。不機嫌な顔をしたら本当にね」
「そうよ。逆に明るい顔だとね」
「表情もよく見えるわね」
「そうでしょ?そういうことなのよ」
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