502部分:第四十話 それぞれの幸せその一
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第四十話 それぞれの幸せその一
第四十話 それぞれの幸せ
星華はだ。この日も椎名と二人で屋上のベンチに並んで座っていた。
そうして青空を見上げながらだ。笑顔でこう話した。
「受けたわ」
「そうなの」
「ええ、それで今ね」
「付き合ってるのね」
「知ってるかな。一組の天道」
その相手の名前も話した。
「サッカー部のね」
「知ってる」
星華は前を見ていた。そのうえで星華に述べた。
「いい奴」
「そうなの。知ってたんだ、あんたも」
「一応学校の人間は大抵チェックしてるから」
「凄いね、それって」
「人間観察も趣味」
椎名はいつものぽつりとした口調で述べた。
「どういう人か見るのも」
「それでだったのね」
「そう。それで知ってた」
何故知っていたか、椎名はこのことも話した。
「そう。天道だったの」
「付き合ってまだちょっとだけれどね」
それでもだとだ。星華は上を見上げて青空を見ながら椎名に話していく。青空には白い雲がまばらにありだ。何処までも澄んだ青がそこにあった。
「それでもね」
「楽しい?」
「うん。天道優しいし気を利かせてくれるし」
だからだというのだ。
「とてもいい奴だし」
「だからなの」
「うん、私達上手くやっていけそう」
そしてだ。椎名にこうも述べたのだった。
「これからね」
「よかった」
椎名は星華のその言葉を聞いて微笑んだ。
「本当に」
「そう言ってくれるのね」
「うん。幸せになって」
星華にこうも告げた。そしてだ。
「その天道がだけれど」
「どうしたの?それで」
「若し佐藤さんを泣かせたら」
その時はだというのだ。月美に対してのと同じ言葉だ。それを星華にも言うのだった。無論星華はそのことは全く知らないのであるが。
「その時は許さないから」
「そんなことある筈ないじゃない」
星華はその椎名に顔を向けて微笑んで述べた。
「あの子がさ。そんなこと」
「わかってる。けれど」
「けれど?」
「それでも言う」
こう話すのだった。
「その時は容赦しないから」
「そうなの」
「友達だから」
だからだというのだ。これは椎名の決意だった。
「だから」
「有り難う」
星華は椎名のその言葉を受けてだ。真剣な顔で述べた。
「それじゃあね。その言葉ね」
「うん」
「受け取らせてもらうわ」
こう椎名に述べた。
「有り難くね」
「それじゃあ」
「それでだけれど」
星華は今度は自分から言った。
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