第二章
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「そんなのなったら洒落になっていないから」
「そうよね、やっぱり」
「私の靴下もスリッパも靴も履かないで」
そこは絶対にというのだ。
「あとね、お風呂では毎日足をしっかり洗ってね」
「前からそうしてたけれど」
「今以上に。それと朝晩にちゃんとお薬を塗るの」
水虫になった場所にというのだ。
「そうしてすぐに治してね」
「やれやれ、伝染病患者扱いね」
「実際に伝染病じゃない」
妹は口をへの字にさせて姉に突っ込み返した。
「水虫は」
「うつるからなの」
「そうよ、伝染病よ」
まさにそれだとだ、ローラはまた言った。
「だからいいわね」
「注意してなのね」
「すぐに治してね、あともうブーツはね」
水虫の元になったと思われるそれはというのだ。
「夏は出来るだけ履かないことよ。というかお姉ちゃん確かにこの夏いつもブーツで靴下も履いてたわよね」
「私素足嫌いだしね」
「いつも靴下履いててアルバイトや外出の時いつもそれで」
ブーツだったというのだ、この夏は。
「そりゃ水虫にもなるわよ」
「今は後悔してるわ」
「夏は風通しのいい靴を中心に履かないと」
「暑くてむれてね」
「水虫になるわよ、というかお姉ちゃんサンダル履かないし」
「だって踏まれたりしたら危ないから」
露出の多いこの履きものはというのだ。
「私基本サンダルはね」
「履かない様にしてるのね」
「そうなのよ」
「だからよ、何で夏祭りの時もブーツだったのよ」
この夏のカレンはそうだったのだ、そうした時も浴衣ではなくミニスカートにそうしたファッションだったのだ。
「それはそうなるわよ」
「いや、好きだから履いてたのに」
「だから毎日何時間も夏にブーツだったらなるわよ」
「そういえば自衛隊の人って水虫多いっていうけれど」
「それは始終風通しの悪い靴履いてるからよ」
「革靴だからね」
「お姉ちゃんみたいにブーツ履くし」
夏でもだ、この職業の人達も。
「そりゃ水虫にもなるわよ」
「私と同じってことね」
「そうよ、けれどとにかくなったからにはね」
「早く治せってことね」
「ええ、あと掻かないことよ」
水虫で痒くてもというのだ。
「いいわね、掻いたらお肌がめくれて痛くなるから」
「痒くて仕方ないのに」
「それでもよ、痒いならお薬塗って」
水虫の薬、それをというのだ。
「ちゃんと治すことよ」
「やれやれね」
「やれやれじゃなくて仕方ないでしょ」
水虫になってしまったからにはというのだ。
「だからいいわね」
「わかったわ、じゃあね」
「早く治してね、家族にうつらない為にも」
妹の言葉は厳しかった、それでカレンは今では家族から完全に伝染病患者扱いで半ば隔離されている様な状況に陥っていた。
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