第一章 オン・ユア・マーク
第一話 新たな始まり
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事でしか関わりのない関係だ。深く知る必要も無いし、深く関わる事もない。だから俺の知っているメリッサマオはいつも強気で、自分勝手で、それでいて優しくて。
「マオ社長────」
「はい。私の話はおしまい。これからは私のターンよOK?」
「え、はい?」
「じゃ。まず一つ目の質問ね。
コタァーは、どうやってアルとコンタクトを取ったの?」
マオは一番の疑問であるだろう疑問を問い掛ける。
「どうやって、と言われましてもあっちからコンタクトを取ってきたんですよ。仕事中、匿名のメールが送られてきて、やり取りをしたら今の関係に至るという訳です」
「へぇー。ふーん」
「な、なんですか。ホントですよ!なんなら、その時のメールをお見せしましょうか?」
「…まぁ、そこまで言うなら嘘は付いてなさそうね。疑ってゴメン。
でも。一応、アルとのやり取りを記した物は全て見せてもらえるかしら?」
疑ってはいないが確信は持てない。信じてもらうには包み隠さず見せてやるべきか。
「分かりました。では、後ほどマオ社長のスマホに詳細をまとめたデータを送ります。それでいいですか?」
「ええ、それで構わない。でも、ちゃんと送りなさいよ。じゃないと…」
「はいはい。分かってますよ。ちゃんと包み隠さず、全てお送りしますから、その目付きを止めて下さい」
たく、なんでこんな面倒な事に。
俺は。ただ、マオ社長に俺の造ったASを見せびらかしたかっただけなのに。
「さて、質問二つ目ね」
「まだあるんですか?」
「あるわよ。大ありよ。
さっきのAI、Lについてよ」
「Lについては一通りご説明しましたけど?」
「あんなの触り程度じゃない。そうじゃなくてもっと重要な事よ。Lは、アルとかなめの人格をトレースして結合した、って言ってたけど…それってつまり────」
「はい。恐らく、アルと…かなめさん?の人格を結合。とどのつまり融合したという訳ですからLは、アルとかなめさん?の仮想的では有りますが、子供という事になりますね」
Hello。
Good morning!
『L』起動しました。
パチ。パチパチっ。
「おはようございます…パパ、」
液晶パネルの中で瞼を擦る少女。
容姿は、Vocaloidの元祖『初音ミク』と母親である千鳥 かなめの容姿を兼ね備えた美少女だ。
「あれ…?
パパ…?」
普段、蟹瀬が眠っているベッドに彼の姿は見当たらない。
もしかしたら…まだ、仕事中なのかも。Lは視覚を倉庫内の監視カメラに移し周囲を確認すると、そこには…蟹瀬と昨日、夜中にやってきた女性も一緒に居た。
「パパ、おはようございます」
…。
……?
…。
……?
返事は返って来なかった。
「あのぉ…?」
蟹瀬と女性は何
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