第一章 オン・ユア・マーク
第一話 新たな始まり
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確保出来るだけなの?」
確かに第二世代と同等の性能なら…まぁまぁ、と言った所だが、及第点には少し及ばない。変形機構も革新的ではあるが、現状だと微妙としか言えない。
「えぇ。この変形機構の目的は、主にスペース確保が目的ですが…この形態は戦闘でも役に立つと思われますよ」
「どういう事?」
「Omarは球体に変形すると全長は3.5m。
通常のASの半分以下です。戦場では先手必勝がセオリーですが、この機体は敢えて隠れてやり過ごすことに重点を置いているのです」
「やり過ごすって、そんなの…」
待てよ。改めて考えると、このOmarは意外と使える機体かも知れない。
「この大きさなら街中で隠れるにはもってこい。
普通のASの大きさなら隠れる建物は制限されますが、このOmarは変形することによりその弱点を補うことが出来ます。それに球体状態でも足だけ出すことも出来ますから意外と使い勝手は良いと思いますよ」
「確かに、身を低くして移動する訳でもないし…あっ。
でも、上半身は球体のまんまなのよね。メインカメラとかは?」
「ご心配なく、その辺も抜かりありませんよ」
Omarの球体の表面が若干スライドし、そこからカメラらしきものが現れた。
「これど同じタイプのサブカメラを前後各部に設置されているので死角はありません。」
「熱探知とかECS対策は?」
「どちらも対応できるように『妖精の目』を搭載してます」
妖精の目。通称、Fairies AI、元はラムダ・ドライバと呼ばれる兵器を見破る為の装置だが…まさか、それをこの試作機に搭載しているとは…。
「とてもサベージの改良型とは思えないわね」
最初は、論外だと判断してしまったが…話は最後まで聞いてみるものだ。
これなら量産化してウチで買い取りたいとマオは思った。
「でも、いくらサベージをベースにしているとはいえ、これだけの改修となると費用も馬鹿にならないんじゃない?」
変形機構に妖精の目を搭載したASなんて、どんだけの金をつぎ込めば出来るのやら。とマオは頭の中でOmarの開発経費を割り出していると。
「いえ、それほど費用は掛かりませんよ」
蟹瀬はニコリと微笑み。
「この機体は、量産化も検討(を無理矢理)してますから、それほど高価で高品質なパーツは一切使ってません。変形機構や妖精の目の搭載でお金の掛かったASと思われても仕方ないですが、変形機構はとても単純なので整備も容易で、サベージのパーツと共有化してるので修理も簡単。妖精の目に関しては、とあるAIに技術提供してもらった事でオリジナルに比べれば多少、性能は下がりますが、それでも第三世代に負けず劣らずの電子性能ですよ」
まぁ、運動性と機動性、電子性能を兼ね備えたM9と真っ向から戦えば勝機は薄いが、状況とパイロットの技量に
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