第一章 オン・ユア・マーク
第一話 新たな始まり
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』もスリープモードだろうし、普段から俺の事を小馬鹿にしてるんだ。たまにはアッと言わせてやろう。
「ほほう。アンタが、そんな上機嫌なのは何か秘策があるって事ね。いいわ、見てあげる」
そこは真っ暗な倉庫だった。
まぁ。今の時刻からすれば当然だが、このシチュエーションはアレだ。何か、イベントの始まる前触れだ。
メリッサ マオはこれから現れんとする新型試作機の外見を予想する。
以前、蟹瀬の開発したASは自衛隊で現在、最も配備されているM6の改修機だった。
外見は、通常のM6と差異はなかったが、その時に行われた機動テストは中々ユニークだった事をよく覚えている。
誰もが想像も予想もしない…いや、子供とかマニアックな大人とかなら好きそうなギミック満載のネタキャラみたいな扱いだった。
だが、その機動テストの結果は良好で一部の機能は今後の自衛隊のAS部隊に試験的にだが実装されるそうだ。
まさか、有り得ないと。
その時の自衛隊の偉そうな奴らの顔は唖然していて、蟹瀬を問い詰めていた。
まぁ、頭のお硬いジジイ共には理解できないポンコツに見えたかも知れないが、アレはポンコツではない。短所を残しつつ長所を極めた…ある意味、エース用とも言える設計だった。
常識に囚われず、かつ扱いやすさを残した汎用機…とまではいかなくても実践でも充分に使える機体だとマオは評価している。
さて、今回もどんな変わり種が出でくるのやら。
「では、私し。蟹瀬 康太の自信作です!どうぞ!」
蟹瀬の言葉と同時に倉庫内のライトは一斉に光り始めた。
「…あ…?」
第一声、一目見た瞬間にマオは変な声を出してしまった。
いや、これは何だ?
そこには巨大な丸い球体が置いてあった。ただ、それだけだった。
いや、他の試作機?らしき機体もまともな形をしていない。これは…どういう事だ?
「これは?」
「第一世代のアーム・スレイブを俺なりにアレンジした機体で、名前は『Omar』と言います」
「いや、名前を聞いた訳じゃないわよ。これって、ただのバカでかい球体じゃない!」
右から見ても左から見ても真っ白な球体。特に変わった点は見られないし、特質する点も見当たらない。一体、何処をどう見ればASに見えるのやら。
「アンタね。馬鹿にしてんの?」
「馬鹿になんかしてませんよ。俺はいつだって本気です」
蟹瀬は堂々と言い切る。
なら、これの何処がASなのよ!と本気で問い詰めようとした────その時だった。
「Omar、変形解除。Mode humanだ」
蟹瀬は、丸い球体に向かって言葉を発した。
すると丸い球体は「ラジャー」と電子音を発し、何やら球体の中で駆動音らしきものが鳴り始める。まさか…いや、まさかとは思うが…。
「これが、Omarの真の
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