第一章 オン・ユア・マーク
第一話 新たな始まり
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────────。────?」
「────────────。」
「────…────────…────」
二人の会話は互いの思考のぶつけ合いだった。
蟹瀬の主張は「変形は男のロマン。この機体はその為に設計した」なんとも良い意味で欲望に素顔な人間だ。
マオの主張は「設計思想はこのままでいい。だが、自分の趣味趣向で目的を見失うな」何ともまともで愛のなる主張なのだろうか。
あぁ、いいなぁ。私も混ざりたいなぁ。
Lは蟹瀬達の口論を聞いて思った。
あんな楽しそうに会話するパパを見るのは初めてで、邪魔をするのは無粋だと判断しLは黙り込んでいるが本音は二人の会話に混ざりたくて仕方ない。
でも、どうやって私はあの中に入れるのだろうか?
こういう場合は普通に話し掛ければいいのか?
Lは思考を巡らし、この状況ではどういった発言と行動をすればいいのかシュミレーションする。
人との会話は、蟹瀬としかした事のないLにとってマオは特殊な存在で、どう接すればいいのか検討すらつかない。普段みたいに「はいはーい。天才美少女AIことLちゃんでーす♪」と自己紹介…いや、自己紹介はもうしたんだった。
普通のAIならする筈もない『うっかり』をしてしまったLは頭を悩ませる。
モニターに映し出されたLは、まるで人間のように悩んでいる。
「まだまだ私は未熟ですね…」
もっと知識を得なくては。
その為には、外の世界に出て色んな事を目で見て体験しなければならない。
もっと────もっと。
私は、全てを知りたい。
そして。いつかはアナタに会えるといいな。
Lは微笑む。
これから始まる日常に。
これから起こる新たな日々に。
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