第四章
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「乱暴なの」
「そうよ、だからね」
「これ位乱暴でもね」
「特に言うことないの」
「そう、じゃあね」
「ミミはそうした娘ってことで」
「そう、家で飼っていこうね」
「わかったわ、けれどもう大人しいのは寝てる時だけね」
よく寝る猫だ、猫は元々よく寝る生きものだがミミはその中でもかなりよく寝る方の猫であるのだ。
「それ以外はね」
「悪さばかりしてるっていうんだね」
「ええ、そう思ってるわ」
ミミは今もクッションに猫パンチを浴びせていた、それが終わると御飯を食べてしかも足りないと聡美の方を見てニャアと鳴いてねだる始末だった。
ミミはとかく乱暴で家のあちこちで悪さをしていた、そしてだった。
家族はそのミミに振り回されっぱなしだった、それで聡美はまた言った。
「何度も躾てよ」
「そんなことしてるのか?」
ミミを拾ってきて今も一番可愛がっている雄作が聡美に応えた、今は休日で聡美はくつろいでいた。雄作はいつも通りミミを膝に置いて縁側で座っている。
「ミミに」
「当たり前でしょ、躾をしないとね」
「悪い子のままだっていうんだな」
「それで何度躾てもよ」
聡美は祖父に口を尖らせて言った。
「やっと少しましになった位よ」
「ははは、そうか」
雄作は自分の膝の上で丸くなっているミミを撫でつつ言った、ミミは次第にその目がとろんとしてきている。
「ましになったか」
「少しね」
「ミミはそんなに悪い子か」
「悪い子だから言ってるの」
聡美は祖父に強い声で返した。
「こうね」
「やれやれだな」
「本当にやれやれよ」
まさにという口調での言葉だった。
「ミミはね」
「元気がある娘だよな」
「元気があるんじゃなくてガサツなのよ」
それがミミだというのだ。
「乱暴で」
「起きている時はか」
「本当に困った子よ」
またこう言う聡美だった。
「本当に。しかも器量だってね」
「よくないか」
「そんな顔してるでしょ」
「そうか?可愛いだろ」
ミミを撫で続けつつ応える祖父だった。
「何かとな」
「そう?」
「ああ、愛嬌もあってな」
「確かに愛嬌はあるけれどね」
聡美もこのことは否定しなかった、一緒に暮らしていてそうしたこともわかっているのだ。
「それでもね」
「悪いからか」
「こう言うのよ。うちに来て最初は大人しかったのに」
「今じゃか」
「そうよ、本当にね」
まさにというのだ。
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