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国民
第六章

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「ヤクザ屋さんよりやばいだろ」
「だから俺達も言ったんだよ」
「ヤクザよりやばいってな」
「ヤクザ屋さんでもそこまでするかよ」
「基地で国民だの言って反対とか言うかよ」
「そうだよな、俺もわかったよ」
「僕もだよ」
 歩も大貴に続いた。
「君達の先輩を攻撃した人達のこともね」
「そんな連中に付きまとわれるとな」
「ネットでも怖いだろ」
「個人情報暴かれかねないしな」
「そういうのも狙われかねないだろ」
「そうだよな、そんなのもする連中だな」
 北朝鮮へのイメージからだ、大貴も話した。
「あいつ等は」
「拉致、今もするかな」
 歩も本気で心配になっていた。
「あの国は」
「どうだろうな」
「先輩は沖縄の基地の前の動画あげたらハングル出てたんだよ」
「それで北朝鮮か、って書いたらそうなったんだよ」
 炎上し個人情報を狙われかねない事態に陥ったというのだ。
「そうした連中なんだよ」
「ガチでやばいからな」
「確かにやばかったね」
「だよな、無茶苦茶大声で近所迷惑考えずに喚いてな」
 厚木基地のすぐ近くは住宅街だ、そこに多くの人が住んでいることは言うまでもない。
「何でも平日の昼からそう言っててな」
「あと沖縄とかも普通に行くとか」
「どう考えてもまともな連中じゃないな」
「北朝鮮とも関係あるし」
「だからもう二度と近寄るなよ」
「本当に洒落になってないからな」
 鈴木と若井も二人に話した。
「俺達も知ったんだよ」
「世の中あんな連中もいるってことがな」
「新聞やテレビじゃあんなことわからなかったよ」
 歩はかなり真剣に二人に話した。
「まさか北朝鮮が関わりあるとか」
「あんな凶暴で無法とかもな」
 大貴も言うのだった。
「マスコミだけじゃわからないな」
「本当にそうだね」
「俺達新聞部だけれどな」
「新聞だけが真実じゃないね」
「テレビにしてもそうだな」
「とりあえず奴等国民じゃないからな」
「日本のな」
 一つのことがわかった歩と大貴にサッカー部の二人はまた話した。
「自分達が国民とか言ってもな」
「どう見ても工作員だからな」
「そうだね、まあもうあの人達には近寄らないけれど」
「そのことは頭に入れておくな」
 歩と大貴は二人に真剣な顔で返した、そうして彼等は実際にもうそうした手合いには近寄らなかった。何処の国民なのか甚だわからない彼等には。


国民   完


               2018・2・12
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