第三章
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「そうなのね」
「そうなんだよ」
「じゃあご主人とも」
「凄くよくしてもらってるよ」
「怖くないのね」
「高校時代同級生で」
それでというのだ。
「物凄く助けてもらったよ」
「そうだったの」
「いつもね」
「ううん、嘘みたいだけれど」
「だから僕は嘘は言わないから」
このことをまた言う主だった。
「本当にいい人だよ。ミーコも見ていて思ったね」
「それはね」
かく言うミーコ自身もだった、このことは。
「凄くね」
「いい人だね」
「礼儀正しくて」
「そうした人だから家にもね」
「呼んだんだね」
「そうだよ、じゃあ後でバーべーキュー焼くけれど」
「私もだね」
「さっき言ったけれど」
それでもまた話すというのだ。
「ミーコの分も焼くから」
「うん、じゃあね」
「楽しみにしていてね」
「わかったよ」
ミーコは主に笑顔で頷いた。
「それじゃあね」
「それを食べてね」
「そうさせてもらうね」
「あの人と一緒にね」
「うん、けれどね」
ミーコはその人を見つつまた主に言った。
「人は外見によらないね」
「見掛けにだね」
「うん、怖そうでも」
それでもというのだ。
「それでもね」
「凄くいい人もいるんだよ」
「じゃあこの人がまた来たら」
その時のことをだ、ミーコは今から話した。
「一緒にだね」
「今日みたいにしてね」
「楽しく過ごすのね」
「これからバーベキューも焼くし」
そして食べるというのだ。
「むしろこれからだね」
「本当に楽しくなるの」
「そうだよ、お酒も飲んでね」
「私お酒はいいから」
ミーコは猫だ、身体はかなり人間の要素が出ていて言葉も喋られるがそれでも酒は飲めない。それで今もこう言ったのだ。
「ご主人はビールが好きだけれどね」
「うん、だからね」
「私にはよね」
「牛乳をお願いね」
「わかっているよ、それじゃあね」
「ご主人とあの人はビールで」
「うん、それじゃあね」
それでというのだ。
「バーベキュー楽しもうね」
「今からね」
ミーコは主の言葉に笑顔で頷いた、そうしてだった。
お客さんも入れて三人で家の庭でバーベキューを楽しんだ、それからミーコはこのお客さんが家に来ると喜ぶ様になった。その人がいい人とわかったので。
怖いお客さん 完
2018・8・29
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