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汝(なれ)の名は。(君の名は。)
08歴史改変
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 古代、冬守

「行くのだ、もし出雲の側に残るのなら、神の技術と医術を授けよう。さもなくばこれから起こる病魔の数々で、お前たちの集落は必ず滅びるのだと泣いて懇願して来い」
「「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」
 ヨツハ様のご命令により、各地に散った伝令、探索班。
 伐採などの力仕事にも、織機とボウガン製作、登り窯建設にも向いていない、仕事はしない少々足りないやくざ者が選ばれた。
 祭りになると張り切ってイキって、声だけはデカくて神輿に乗りたがる連中である。
 言葉が通じて文字が共通の場所にまで送り込まれ、その外側には恭順した集落から同じ内容で広められる。
 相手方を説得できるかどうかは、伝令の資質にもよるが、口だけは上手いサイコパスで自己愛性人格障害で、掛け声だけで仕事しない「横山やすし」みたいな連中なのでキニシナイ。っていうか適材適所〜?
 全員神の技術と医術を見て、年寄りでも目の色が変わってしまっているので、その驚きを伝えてやれば済む。
 嫁の交換で冬守に来ていた女でも近隣の故郷まで連れて行けば、家族、姉妹、友人と恐ろしい速さで噂話が伝搬して、狂った内容で冬守に神が降臨したのが伝えられる。
 羽衣と鉄の生産が可能になり、小男でも勇者を殺せる強弓、様々な薬草から治療法が教えられ、織機や登り窯、炭焼き、お茶、砂糖、山芋、蚕、硝子(ギヤマン)、目にした文物を伝えるだけで、今までの生活と神を捨てたくない人物、特に長老連中にはよく効く薬である。

 出雲の神の側に集結するように指示が出され、戦える者を諏訪の防衛戦に出すように檄文が回った。
 そして、出雲側の者には様々な神の技術と医術を授けるが、歯向うのなら病魔で集落全員が死ぬ事になると脅した。
 間も無くそれは現実になり、コレラ、赤痢、痘瘡が蔓延し始め、周囲の村から火矢を撃ち込まれて放火されて、焼き討ちで死滅するはずの呪われた村も遠くで見つかった。
 コレラと赤痢なら排泄物から簡単に病原菌が入手できるので、それを敵側の川の上流から撒くか、村や都市に侵入できるのなら、井戸水に混入させれば簡単に感染爆発を起こせる。
 どちらも数人に発症させるだけで、恐ろしい速度で感染する。
 予防法も治療法も存在しない。
 コレラ、赤痢は味方側にも感染するが、空気感染ではないので距離を保って散布して、敵地の水や食料を口にしなければ、ある程度防げる。
 運搬取り扱いをする者は、一度感染経験がある者が行うのが望ましい。
 菌が入った便を乾燥させてしまうと、大半の病原菌が死んでしまうので、竹筒の水筒にでも入れて可能な限り生きたままで保持する。
 天然痘ウィルスのように人類にしか感染しない疾病ではないので、ネズミ、コウモリなどの哺乳類での運搬も困難な病原ではなく運搬も簡単。
 最終的には
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