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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
最終章 蛇王再殺
第四十話(最終話) 狩猟大祭
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も占ってもらおう。

「おや、楽しそうじゃな。仲間に入れて欲しいものだが、縁を結んでいない我が国が出しゃばるのはお邪魔だろうかの?」

「おお、これはホサイン殿!」

ミスル王国の国王ホサイン三世殿、頭髪が少し心許なくなっているのと痩せにくい体質を、どうやら気に病んでいるらしい。仲間はずれのままではいつ数カ国連合軍がミスルに攻め込んでくるか判ったものではない。そうなる前に狩猟大祭に参加することにしよう、ということで今回から参加されることになった。別に攻め込んだりするつもりはないのだけれど、内政に高い手腕を発揮されてきたこの方としては戦争で国力が落ちたりするのは何より恐ろしいことなのかもしれない。

「いやいや、ホサイン殿、年回りの近い姫がいないのなら、重臣の娘をお主の養女にして、アルスラーンと縁付けると言う手もありますぞ?」

「おお、そんな手が?」

ラジェンドラ兄、あまり妙な入れ知恵をされては困るのですが?

「ただし、容姿も中身もそれなりのご器量でないと恥をかきますので。その辺にはご留意したほうがよろしいかと思われますな」

「なるほど、良い話を聞いた。さっそく検討しよう。これからは貴国とも仲良くしたいものですな!」

まあ、友好につながるならば構わないか。それよりまた側室が増えるのだろうか。うう、また胃が痛くなってきた。帰ったらまた宮廷医に胃薬を処方してもらおう。

◇◇

「ラジェンドラ兄のところはお変わりはありませんか?」

この数年間でだいぶ王様らしい貫禄の出てきた心の兄弟が聞いてくる。向こうで実の兄が呼んではいるが、うるさい黙れ今はそれどころではない。

「ああ、相変わらずみんな元気さ。ミリッツァが長男を出産したんでな。そろそろラクシュと子作りを始めようとしてるところだ」

ルシタニアの侵略の爪痕はまだマルヤムに深く残っているし、俺は異国人だし、決して統治は楽ではない。だが、昔とちっとも変わらないラクシュの笑顔を見ていると、もうひと頑張りしてみるかと言う気が湧いてくる。

蛇王ザッハークを倒した後もアルスラーン戦記のこの世界は終わること無く続いていく。その歴史が少しでも平和で幸せに満ちたものになるよう、俺たちはこれからも力を尽くしていこう。そして、あの世に行ったら親父にこう言ってやるのだ。「聞いてくれよ、山のようにみやげ話があるんだ。まずどれから聞きたい?」と。

《完》

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