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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
最終章 蛇王再殺
第四十話(最終話) 狩猟大祭
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?」
「だって、殿下はミリッツァ様のお婿さんになっちゃうんでしょ?殿下が誰かのものになっちゃうの、見たくないんだ。そんなの嫌なんだもん」
「そりゃあ、ミリッツァとも結婚するけどな。あいつだけのものになる訳じゃないぞ?側室も迎えることにしたしな!」
「はあ、何それ!結婚してすぐに側室ってそんなの許されると思ってるの?殿下はアホの子なの?」
「お前にアホの子とか言われるとは嫌な世の中だな。いいんだよ、ミリッツァにはもう許可とってあるし。じゃないと王様になんてなってやらないって駄々こねたからな!」
「何なのそれ、そんないい女なの?どこの何て女よ!」
いいなあその娘、羨ましすぎるよ。
「そこのお前」
「はあっ!?」
「だからお前だよ。諜者の頭領カルナの娘のラクシュ!俺は昔、俺自身に誓ったんだ。家族同然の乳兄妹と、いつか本当の家族になると。もし俺が王になれるなら必ずそうするとな。それとも嫌か?」
「い、嫌じゃないともさ!ありがとう殿下。きっと大切にされるさー」
「おう、大切にしてやるともさ」
こうして私たちは末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
……あれ?まだ終わりじゃないの?
◇◇
パルス暦324年10月15日、この日シャフリスターンの野においてシンドゥラ、チュルク、マルヤム、ミスラの四カ国の王を招いて、私、アルスラーンの即位後三度目となる狩猟大祭が行われた。
狩猟祭自体は三代前のパルス国王ゴダルゼス大王の時代までは行われていたものらしい。その時には六カ国の王が招待され、パルスの繁栄と大陸公路の平和とを祝い、相互の友好を誓いあったものであったそうだ。それを復活させ、今後は「狩猟大祭」と呼ぶようにしようと言い出したのは、我が心の兄にしてマルヤム国王ラジェンドラ殿だった。最初の年に参加したのはパルスの他はマルヤムとシンドゥラで、翌年には婚姻政策によってパルスとの心理的距離の縮まったチュルクが参加し、今年になってようやくミスラが参加することになった。
「おう、これは婿殿。我が娘エミーネは息災か?」
いきなりそんな挨拶をしてきたのはチュルクのカルハナ王だ。私は昨年チュルクの第二王女エミーネを側室とし、今年の初めに子供が生まれたばかりだった。
「はい、舅殿。母子ともに大変元気です。娘のナーズィは心なしか舅殿に似ておられるようですよ」
「そうかそうか、それは嬉しいのう。これからもよろしく頼む。また困ったことがあったら言うがいい。相談に乗ろうぞ?」
そう言い残してカルハナ王は離れていった。宰相に何やら呼ばれているらしい。それにしても、カルハナ王と言えば、『陰険で猜疑心の塊のような男』とナルサスなどは言っていたが、実際に話してみれば子煩悩で意外に
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