第二章
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「徹底的に削って」
「それでなの」
「描いていかないと」
「そこまでしないとなの」
「正直どうにもならないわ」
「じゃあね」
それならとだ、未穂は姉に心から気遣う顔で提案した。
「私がお手伝いしていい?」
「アシスタントしてくれるの?」
「そうしていい?」
もう申し出たのだった。
「それなら」
「あんたこれまでも私のアシスタントしてくれたけれど」
時々だ、姉の仕事を手伝ってきたのだ。未穂はお手伝いは結構万能タイプで漫画のアシスタントも出来るのだ。
それでだ、未穂もこう申し出たのだ。
「だからなの」
「うん、そうしていい?」
「いいけれど大変よ」
姉は未穂に真剣そのものの顔で問い返した。
「今回はね」
「大変だから」
それ故にというのだ。
「どうかなって思ったけれど」
「そう。それじゃあ」
「そうしていい?」
「お願いするわ」
姉にしても冗談抜きで忙しい、それならだった。
「特にね」
「特に?」
「お風呂の時も」
この時もというのだ。
「私は身体洗うから髪の毛お願いね」
「洗ってあのね」
「洗って乾かして」
そちらもして欲しいというのだ。
「正直髪の毛洗って乾かすのも大変でしょ」
「女の子はね」
「だからよ。あんたも長いけれど」
自分の黒髪のロングへアを右手で触りつつだ、姉は妹に言った。
「それでもね」
「ええ、じゃあね」
「お願いするわね」
「お風呂の時もね」
「アシスタントはね」
姉は漫画の方の話もした。
「出来ることでいいから」
「それだけでいいの」
「それだけで全然違うから」
未穂にそうしたことをしてもらうだけでもというのだ。
「だからね」
「わかったわ、じゃあね」
「お願いするわね」
「漫画、全部描こうね」
「イラストもね」
こうしてだった。未穂は今度は姉の仕事を手伝うことになった。姉は早速漫画とイラストの方にかかった。
未穂を自分の部屋に呼んで描いていく、そうしつつだ。
妹にだ、こう言った。
「CGの方はね」
「もうCG描きにして随分よね」
「こっちが楽だから」
それでというのだ。
「だからね」
「今はこれで描いているのね」
「そうよ、他の人は知らないけれど」
「お姉ちゃんはね」
「こうして描いているの」
パソコンを使ってというのだ。
「Gペンや消しゴムはね」
「使わないのね」
「そう、だからあんたにもね」
「パソコンを使って」
「これまで通り描いてもらうわ」
「それじゃあね」
未穂は頷いた、そしてだった。
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