十五 始まりの傀儡
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
髪の人形が顔を上げる。その美しい面差しは、サソリの整った顔立ちによく似ていた。
「──『母』じゃ」
待ちわびていた存在を前にしながらも、興味のない風情を装う。
無関心な態度をわざと取るサソリに対し、チヨはむしろ彼が憶えている事に、驚愕の表情を浮かべた。
「俺の作った傀儡で、俺の傀儡と殺しあおうってか?くだらねぇ」
吐き捨てる言葉とは裏腹に、かつて己が拙いながら必死で作り上げた人形を、サソリは静かに見つめる。
その瞳には、人知れず、懐古の色が確かに宿っていた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ